スペイン領カナリア諸島のエル・イエロ島で、アフリカ西岸から小舟(カユコ)で渡ってくる移民の到着が急増し、島政府(カビルド)は6日、島長の決定(decreto)で社会的な緊急事態(emergencia social)を宣言した。島政府によると、到着は直近5週間で8,000人を超え、直近5日だけで約30隻・3,000人以上に上る。決定は州政府と国に、救助・医療・警察などの人員の増強と交代を求めた。島の病院は「完全に飽和」と訴え、州のクラビホ首相は欧州委員会に緊急の介入を、州政府は国の内相に警察の増派を求めた。国の閣僚は過去の急増時と同じ仕組みで対応すると説明している。クラビホ氏は6日中にサンチェス首相と電話で話す予定だと述べたが、スペイン本土時間6日19時ごろ(日本時間7日3時ごろ)の時点で、その結果は伝えられていない。

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病院は「飽和」、住民も対策求め抗議

島政府の発表によると、決定には、関係機関が連携して移民をより受け入れ能力の大きい他の島へ移す手順づくりや、到着直後の受け入れ施設の強化も盛り込まれた。アルマス島長は「エル・イエロだけでは対応できない」と述べた。クラビホ氏は、警察が運営する一時収容施設(CATE)も到着地ラ・レスティンガの港も「あふれている」と語った。

島の病院の管理責任者は6日、カナリアテレビの番組で、移民15人が入院して入院病棟の半分を占めていると説明した。講堂を救急外来に転用して10床増やし、住民の診療には今のところ影響はないという。ラ・レスティンガでは6日朝、住民のグループが港で当局に緊急の対策を求めて抗議した。住民団体の会長は、移民の小舟が港にたまり漁船の出入りに支障が出ていると訴えつつ、「移民に反対したことはない」と述べた。

州はEUと国に要請、国は移送で対応

州政府によると、11月1〜6日に諸島全体へ49隻・約4,600人が到着し、うち35隻がエル・イエロ島だった。エル・イエロ島への到着は、前年の同じ期間は2隻、2024年は11隻だった。クラビホ氏は欧州委員(内務・移民担当)への書簡で、セネガルとガンビアからの出航が再び活発になっていると指摘し、EUの連帯の仕組みの発動を求めた。州の治安などを担当するバレト相は内相に国家警察と治安警察の臨時の増派を求めた。

国側では、カナリア出身のトーレス領土政策相が6日、受け入れ施設の網など過去の急増時と同じ仕組みで対応していると述べ、国の政府代表が9日に島を訪れると明らかにした。政府代表のペスタナ氏は5日、「難しい局面」と認めつつ、本土などへの移送は機能していると説明した。

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日本の読者へ

エル・イエロ島はカナリア諸島の最も西にある人口1万人余りの島で、アフリカから大西洋を渡るルートの主な到着地の一つ。内務省の集計では、諸島への到着は10月に6,194人と、今年1〜6月の合計(3,708人)を上回った。それでも1〜10月の累計は13,327人で、前年同期を5.5%下回る。過去最多は2024年の46,843人だった。移民は11月29日の総選挙の争点の一つでもある。10月11日のエル・イエロ島への到着は既報、総選挙の争点は解説記事で伝えた。

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