2027年は、スペイン北西部ガリシア地方のサンティアゴ・デ・コンポステーラの「聖年」にあたる。聖ヤコブの祝日の7月25日が日曜日に重なる年で、その始まりとして、2026年12月31日に大聖堂の「聖なる門」が開かれる。大聖堂の公式の行事暦は開門を17時としているが、9月には正午ごろに早めると報じられており、時刻はまだはっきりしない。門が開いている1年間は、この門を通って大聖堂に入ることができる。冬のガリシアは雨が多いが、魚介のおいしい季節でもある。ガリシア観光局は12月から3月を魚介のよい時期とし、カニやエビ、カキが旬を迎える。南のヴィーゴはクリスマスのイルミネーションで知られ、今年は1,200万個を超えるLEDを飾る計画だ(点灯日は未発表)。ア・コルーニャのヘラクレスの塔、ルーゴのローマ時代の城壁、巡礼路の最後の100キロの徒歩も、冬の旅の候補になる。日本からは、イベリア航空の直行便でマドリードに入り、国内線か高速鉄道で乗り継ぐ。開門に立ち会うなら、12月30日までにサンティアゴに入っておきたい。
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聖年2027と、12月31日の「聖なる門」
サンティアゴ・デ・コンポステーラは、キリストの十二使徒の一人、聖ヤコブ(スペイン語でサンティアゴ)の墓があるとされる巡礼の地だ。7月25日の聖ヤコブの日が日曜日になる年が聖年で、大聖堂の東側、キンターナ広場に面した「聖なる門」が1年間開かれる。前回の聖年の始まりとなった2020年12月31日には、当時の大司教が門を開いた。この時は新型コロナの対策で、大聖堂の中に入れたのは当局者や教区の代表者らに限られ、回廊には画面で見るための70席が用意された。
今回の開門は2026年12月31日(木)。大聖堂の公式の行事暦は「17時に聖なる門を開き、その後に大司教がミサを行う」としている。一方、9月24日に教会側が聖年の計画を発表した際、地元紙は開門を従来より5時間ほど早い正午ごろにすると報じた。一般の人がどこで見られるか、予約が要るかもまだ発表されていない。開門に立ち会いたいなら、正午ごろに始まる可能性も考えて、31日は午前から夕方まで空けておきたい。
聖年には、使徒の墓を訪れて祈り、教皇の意向のために祈ることや、告解と聖体拝領など、教会の定める条件を満たした信者に、すでに赦された罪に伴う一時的な罰を免じる「全贖宥」が与えられる。巡礼の証明書「コンポステーラ」とは別のものだ。2027年7月15日〜18日には、16〜35歳の若者が集まる欧州青年巡礼も予定されており、聖年の夏はいつもより混みそうだ。
冬の気候:雨の多さを前提に
気象庁(AEMET)の平年値(1981〜2010年)では、サンティアゴ空港の12月は平均最高気温11.9度、最低5.0度と寒さは厳しくないが、雨(1ミリ以上)の日が月に約16日あり、降水量は261ミリに達する。海沿いのア・コルーニャ市内は12月の平均最高14.1度・最低8.9度と暖かめで、雨の日は約15日。ヴィーゴ空港も12月の雨の日は約15日だ。防水の上着と靴を用意し、雨の日に入れる博物館や教会を予定に入れておきたい。
冬の味:魚介と煮込み
ガリシア観光局によると、12月から3月は魚介のよい時期で、エビの仲間のカマロン、カニのネコラやセントージャ、カキなどが旬を迎える。岩に張り付く高級食材のペルセベス(カメノテ)は、クリスマスの需要で12月は値段が上がりやすい。年中食べられるのが、ゆでたタコに塩とパプリカ、オリーブ油をかけたプルポ・ア・フェイラ(ガリシア風のタコ)。寒い日には、ジャガイモや豆、青菜のグレロを煮たスープのカルド・ガジェゴや、豚肉やチョリソ、ひよこ豆を煮込んだコシード・ガジェゴ(1〜3月が伝統的な時期)が体を温める。クリスマスの料理には、ビラルバの去勢鶏(カポン)もある。
見どころと、年末年始の営業
| 場所 | 見どころと年末年始 |
|---|---|
| サンティアゴ大聖堂 | 毎日7時〜21時、無料で入れる(宗教行事中は観光の見学はできない)。10月16日から当面、工事のため9時30分・12時・19時30分の巡礼者のミサは近くのサン・アグスティン教会で行われている。屋根とカラカの塔を歩くガイドつきの見学(約60分、15ユーロ)は、12月24日・31日の14時以降と、12月25日、1月1日・6日は休み |
| ヘラクレスの塔(ア・コルーニャ) | 世界遺産のローマ時代の灯台。通常の冬は毎日10時〜17時で、12月24日・25日・31日、1月1日・6日と、1月5日の午後は休館。強風の日は閉まることがある。電気設備の工事で11月15日まで休館の予定なので、年末年始の営業も訪問前に確かめたい |
| ルーゴの城壁 | 旧市街を囲むローマ時代の城壁で、全長2キロ余りの上を歩ける。2000年に世界遺産に登録された |
| ヴィーゴのイルミネーション | 昨年は11月15日20時に点灯し、約1,200万個のLEDが460の通りや広場を照らして、1月11日まで続いた。今年は1,200万個を超えるLEDを約500の通りに飾る計画で、点灯日は未発表 |
大西洋に突き出た岬フィステーラ(「地の果て」の意味)は、巡礼を終えた人が訪れる場所として知られる。
冬に巡礼路の最後の100キロを歩く
巡礼の証明書コンポステーラは、宗教的・精神的な動機で巡礼する人に出される。徒歩の場合、認められた巡礼路をサンティアゴに向けて最後の100キロ以上続けて歩き、巡礼手帳(クレデンシャル)に1日2個以上の日付入りのスタンプを集める(最低の距離だけ歩く場合は、各日の出発地と到着地でも押してもらう)。フランス人の道なら、サリアからポルトマリン、パラス・デ・レイ、メリデ、アルスーア、オ・ピノを経てサンティアゴに着く。冬は宿(アルベルゲ)が休みのところがあり、日も短いので、宿を先に確かめ、明るいうちに歩き終える計画にしたい。サンティアゴの巡礼事務所は12月25日と1月1日が休み。通常の受付時間は公式のページによって書き方が違い、12月24日・31日は早く閉まることもあるので、行く前に確かめたい。
日本からの行き方と日程
イベリア航空の成田〜マドリード線で朝5時45分にマドリードに着き、イベリアの国内線でサンティアゴ、ア・コルーニャ、ヴィーゴの各空港へ乗り継ぐか、マドリードのチャマルティン駅から高速鉄道でサンティアゴへ向かう(2021年のガリシア高速鉄道の開業時、直通列車の最短は約3時間20分だった)。イベリアの日本語サイトでは、東京からサンティアゴ、ア・コルーニャ、ヴィーゴまでの航空券を探せる。
直行便の基本の運航日は、成田発が月・火・土、マドリード発が月・金・日だ。開門に合わせるなら、次のような日程が考えられる。各便の運航と空席、国内線や鉄道への接続は日付ごとに確かめたい。
| 日程 | 内容 |
|---|---|
| 行き | 12月26日(土)、28日(月)、29日(火)のいずれかに成田を出て、翌朝マドリードに着き、その日のうちにサンティアゴへ |
| 12月30日(水) | サンティアゴで大聖堂や旧市街を見て、31日に備える |
| 12月31日(木) | 聖なる門の開門(時刻は要確認)。正午ごろの開始にも備え、午前から夕方まで空けておく |
| 1月1日〜 | ア・コルーニャ、ルーゴ、ヴィーゴへ。元日は休む施設が多い |
| 帰り | 1月3日(日)か4日(月)にマドリードを発つ(ガリシアからマドリード空港への移動に余裕を) |
直行便の曜日で組む年末年始の日程は直行便の記事に、ほかの街の冬の楽しみ方はマドリード、バルセロナ、サン・セバスティアンの記事にまとめた。
イベリア航空の日本語サイトで、東京からサンティアゴへの航空券を探す(紹介リンク・PR)
年末年始の祝日と店の営業は年末年始のスペイン旅行ガイドにまとめた。本稿は10月29日に確認した内容で、開門の時刻や観覧の方法、ヴィーゴの点灯日が発表されたら追記する。













