バスク地方のサン・セバスティアンは、冬は雨が多いが、食と祭りで冬に行く理由がある街だ。12月初めから1月6日まではウルメア川沿いにクリスマス市が立ち、12月21日には農家が集まる「聖トマスの市」が開かれる。年が明けると、1月19日から20日に変わる午前0時に、街の守護聖人の祭り「タンボラーダ」が始まり、24時間、街中で太鼓が鳴り続ける。例年1月中旬ごろからは、近郊のアスティガラガなどのシドラ(リンゴ酒)の醸造所で、樽から直接注ぐ「チョッチ」の季節を迎える。ミシュランガイドの2026年版では、市内の6店が星を持ち、星は計11個になる。旧市街ではピンチョスの食べ歩きができる。気象庁(AEMET)の平年値では、12月と1月は月に12〜13日、1ミリ以上の雨が降るので、雨の日に入れる美術館や水族館も予定に入れておきたい。日本からは、イベリア航空の直行便でマドリードに入り、国内線でサン・セバスティアン空港へ乗り継ぐ方法がある。
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冬の気候:暖かいが、雨が多い
海沿いのサン・セバスティアンは、内陸のマドリードより冬の冷え込みがゆるい。市の西のイゲルド観測所(標高250メートル)の平年値(1981〜2010年)は次のとおり。
| 月 | 平均の最高・最低気温 | 雨の日(1ミリ以上) |
|---|---|---|
| 11月 | 14.0度・8.7度 | 13.0日 |
| 12月 | 11.6度・6.6度 | 12.4日 |
| 1月 | 11.0度・5.9度 | 13.2日 |
| 2月 | 11.5度・5.9度 | 11.6日 |
月の3分の1以上の日に雨が降るので、折りたたみ傘と、ぬれてもよい靴を持っていきたい。
冬の行事
| 日付 | 行事 |
|---|---|
| 12月初め〜1月6日 | クリスマス市。ウルメア川沿いの遊歩道とラモン・ラバジェン広場で開かれる。開始日は主催者が12月4日、市の観光局が12月1日と案内しており、確かめたい。出店者は原則11時〜14時と16時30分〜20時は店を開け、12月24日・31日は19時に閉まる。12月25日、1月1日・6日は休む店もある |
| 12月21日(月) | 聖トマスの市。農家や生産者が街に集まった伝統に由来する市で、市の2026年の予定表にも載っている |
| 12月31日(木) | 大晦日。市民ランニング「サン・シルベストレ」があり、主催者は今年の大会を14時スタートと案内している |
| 1月5日(火) | 三賢王の行事。今年1月は三賢王が地区を回り、中心部をパレードした。来年の詳細は確認したい |
| 1月19日(火)深夜〜20日(水) | タンボラーダ。19日から20日に変わる午前0時に、旧市街のコンスティトゥシオン広場で旗を掲げて始まり、20日の24時に旗を降ろして終わる。この間、太鼓とたるを打つ隊列が街を練り歩く |
例年1月中旬ごろから、シドラの「チョッチ」
サン・セバスティアンの南隣のアスティガラガには、シドラの醸造所(シドレリア)が集まる。冬から春にかけては、醸造所の大きな樽から、職人の「チョッチ!」の声を合図に、グラスに直接シドラを受けて飲む季節になる。食事は、タラのオムレツ、タラとピーマン、炭火で焼いた骨付きの牛肉、チーズとマルメロのゼリー、クルミと続くのが定番だ。2026年の公式の開幕の行事は1月14日だったが、営業の期間は店ごとに違い、ベレシアルトゥアは1月7日から、サピアインは1月22日からだった。2027年の開幕の日は、10月29日の時点で公式の発表を確認できていない。行く前に店の営業日を確かめて、予約しておきたい。市の中心部のオケンド通りから、BU12かBU13のバスで行ける。
ピンチョスと星付きレストラン
旧市街とグロス地区にはピンチョスのバルが集まっていて、一軒で一品と一杯を楽しんで次の店へ移るのが地元の流儀だ。ミシュランガイドの2026年版では、市内で3つ星がアケラレとアルサックの2店、2つ星がアメリア、1つ星がイバイ、イツリ、ココチャの3店で、計6店・11個の星がある。近隣の町の店まで含めると、星の数はさらに増える。年末年始の営業は店ごとに確かめてほしい。
雨の日と晴れた日の過ごし方
晴れたら、三日月形のラ・コンチャ湾を歩き、1912年に開業した木製の車両のケーブルカーでイゲルド山に上って湾を見下ろしたい。旧市街の背後のウルグル山にも展望台がある。雨の日は、旧市街のサン・テルモ美術館(バスクの文化と歴史の展示。冬は原則火〜日10時〜19時で、12月24日・31日は10時〜14時、12月25日、1月1日、1月20日は休館)や、港の水族館(大水槽のトンネルがある)が候補になる。
日帰りなら、ビルバオへはバスで約1時間15分で、グッゲンハイム美術館がある(原則月曜休館で、12月25日と1月1日も休館。12月24日・31日は17時に閉まる)。フランス国境の手前の港町オンダリビアや、漁港の町ゲタリアへもバスで行ける。
日本からの行き方と日程
イベリア航空の成田〜マドリード線で朝5時45分にマドリードに着き、イベリアの国内線でサン・セバスティアン空港(オンダリビア)へ乗り継ぐのが早い(飛行時間は1時間余り)。イベリアの日本語サイトでは、東京からサン・セバスティアンまでの航空券を探せる。空港から市内へは約20キロで、空港バスがある。ビルバオ空港へ飛んで、直通バス(約1時間15分)で入る方法もある。鉄道は、2026年に工事のためバスの代行が行われた。年末年始の運行や乗り換えの有無は、予約の時にRenfeで確かめたい。
イベリアが3月に発表した冬ダイヤの基本の運航日は、成田発が月・火・土、マドリード発が月・金・日だ。この曜日で組むと、次のような日程が考えられる。運航日と時刻は変わることがあるので、各便の運航と空席、国内線への接続は日付ごとに確かめたい。
| ねらい | 日程の例 |
|---|---|
| 聖トマスの市とクリスマス市 | 12月19日(土)に成田を出て、20日に入り、21日の市へ |
| 年越し | 12月26日(土)か29日(火)に成田を出て、1月3日(日)にマドリードを発つ |
| タンボラーダとシドラ | 1月18日(月)に成田を出て19日に入り、その夜からの祭りを見て、1月22日(金)にマドリードを発つ |
直行便の曜日で組む年末年始の日程は直行便の記事に、ほかの街の冬の楽しみ方はマドリード、バルセロナ、ガリシアの記事にまとめた。
イベリア航空の日本語サイトで、東京からサン・セバスティアンへの航空券を探す(紹介リンク・PR)
年末年始の祝日と店の営業は年末年始のスペイン旅行ガイドにまとめた。本稿は10月29日に確認した内容で、タンボラーダの詳しいプログラムや、2027年のチョッチの開幕日が発表されたら追記する。













