スペインの農業・漁業・食料省は、オリーブ油の供給過剰に備えて市場の安定を図るため、国内の搾油所に生産量の一部を市場に出さずに保管するよう義務づけた。2026年11月分から毎月申告する生産量の累計に対し、常に12%に相当する量を2027年9月30日まで保管する。10月分以前の生産は対象外。決定は11月6日付の官報(BOE)に掲載され、同日から効力を持つ。各自治州の見込みでは今季(2026年10月〜2027年9月)の生産量は160万トンを超え、同省は記録上4番目の規模になる見通しとしている。同省は2021年の勅令に基づく仕組みを使う。スペイン紙エル・パイスは、産地価格の下落を食い止める狙いがあり、この仕組みの発動は初めてだと伝えた。競争当局(CNMC)は省令の案の段階で、価格が上がる恐れがあると指摘していた。

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在庫と生産見込みが基準に達する

決定は、同省の生産・農産物市場総局長が11月4日付で署名した。10月29日付の省令(30日の官報に掲載)は、保管を義務づけるには、今季の期首在庫と生産見込みの合計が、過去6年度の同じ合計の平均の120%以上に達する必要があると定めていた。決定によると、期首在庫は35万7,040トン、各自治州が報告した生産見込みは160万2,596トンで、この基準に達した。

保管の割合は、省令の計算式に基づいて12%とした。省令は上限を生産見込みの20%と定めている。保管は自社か他社の施設で行い、どの等級の油を保管するかは各搾油所が選ぶ。検査は各自治州が担い、違反には罰則がある。同省は参加を希望する自治州とともに監視の技術グループを設け、そこで管理計画を承認する。省令によると、同省は12月31日以降、生産見込みの見直しや価格への影響などを検証し、必要なら官報に掲載する決定で保管する量を減らすことができる。

値下がりと賛否

同省は10月30日の発表で、主な産地で今春の気温が穏やかで雨が多く、花つきと実の付きがよかったと説明した。生産見込みは前年度より23%多く、期首在庫も23.3%多い。エル・パイスによると、エキストラバージンの生産地での取引価格は1キロ3ユーロ前後と、1年前より1ユーロほど低い。

10月30日のインフォバエの報道によると、農業団体のASAJA、COAG、UPAは保管の義務を必要な措置と評価してきた一方、瓶詰めなどの包装業界は競合に比べて不利になると懸念している。CNMCは10月5日、省令の案についての報告を公表し、市場に出る量が減り、価格や品質、品ぞろえに影響しうると指摘した。低所得の消費者を含めた影響を数字で示すことや、保管の対象を必要な等級に限ることなどを求めている。CNMCによると、スペインはオリーブ油の生産と輸出で世界首位。

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