イベリア航空やブリティッシュ・エアウェイズ、ブエリングを傘下に持つ航空グループIAGは11月6日、2026年1〜9月の決算をスペインの証券当局(CNMV)に届け出た。税引き後利益は22億6,400万ユーロで、前年同期より16.2%減った。売上高は2.3%増の258億800万ユーロだったが、燃料と排出枠の費用が18.6%増の64億ユーロに膨らんだ。IAGによると、2月末から中東の紛争とホルムズ海峡を通る海上輸送・石油輸出の混乱で航空燃料の価格が大きく上がったことが主な要因。イベリア航空の営業利益(特別項目を除く)は約9%減の9億7,800万ユーロ。中東便の運休を受け、イベリアは中東路線に充てていた輸送力を日本、中南米、北大西洋、スペインの島々の路線に振り向けたとIAGは説明している。通年の燃料費は89億ユーロを見込み、通年の輸送力(提供座席キロ=座席数に飛行距離を掛けた指標)は前年をやや下回る見通しとした。
燃料費が利益を圧迫
7〜9月の3カ月では、売上高は4.5%増の97億4,400万ユーロだったが、燃料と排出枠の費用が30.4%増え、営業利益は15.9%減の17億2,600万ユーロだった。IAGによると、ヘッジ(価格変動を抑えるための取引)と収入・費用面の対策で、燃料の値上がりの影響を一部抑えた。1〜9月の営業費用には、イベリアとブリティッシュ・エアウェイズの再編に伴う特別費用1億4,900万ユーロも計上された。IAGは7月末の上期決算で、通年の燃料費を83億〜86億ユーロとするシナリオを示しており、今回の89億ユーロはその上限を3億ユーロ上回る。通年の輸送力も、上期決算の「前年並み」から引き下げた。Europa Pressによると、同社の財務責任者バリオヌエボ氏は6日の記者会見で、2027年の燃料費は2026年を上回るとの見通しを示した。
中東向けの輸送力を日本などに配分
IAGの決算報告によると、特に2月28日以降、中東の紛争を受けてグループ各社はアブダビ、アンマン、バーレーン、ドーハ、ドバイ、テルアビブへの便を運休し、ジッダ便も4月24日から止めた。中東はグループの輸送力の約3%にあたる。イベリアは自社の中東路線に充てていた輸送力を、日本、中南米、北大西洋、スペインの島々に振り向けた。7〜9月はイベリアのスペイン国内線の輸送力が18.1%増えたが、IAGによると、中東から輸送力を振り向けたことで販売期間が大幅に短くなり、イールド(有償旅客1人を1キロ運ぶあたりの平均旅客収入)に下押しの圧力がかかった。グループのアジア太平洋の輸送力も同じ期間に9.3%増えた。中東便の再開は、紛争が続いているため延期されるか、予定より小さい規模になっているという。
ブエリングは17%減益
1〜9月のイベリアの輸送力は2.4%増え、乗客数は1,872万人で前年並み、搭乗率は88.3%だった。ブエリングの営業利益(特別項目を除く)は17.4%減の3億300万ユーロで、IAGは欧州の短距離路線で競争が激しくなったことを挙げた。Europa Pressによると、ブエリングのマルティノリ最高経営責任者は6日の記者会見で、導入するボーイング737の最初の引き渡しの時期はまだ決まっていないと述べた。
通年の利益率の目標は据え置き
IAGは、通年の営業利益率(特別項目を除く)を少なくとも12%とする見通しを据え置いた。10〜12月の予約見込みのうち85%はすでに入っており、2027年1〜3月の予約も「非常に堅調」としている。中間配当は1株0.053ユーロで、前年より10%増やす。

















