スペインの国家裁判所(Audiencia Nacional)のイスマエル・モレノ判事の指示で、治安警察の中央捜査部隊(UCO)は11月5日(木)、汚職の「コルド事件」の秘密扱いの新たな別件で6人を拘束した。elDiario.esによると、アバロス元運輸相の時代の運輸省で公共工事の落札が操作された疑いと、その見返りとされる資金の洗浄の疑いを調べている。バレンシアにあるアバロス氏の自宅を再び捜索し、鉄道インフラ公社Adifと建設会社Azviには資料の提出を求めた。6人は同日中に釈放された。サンチェス首相は「この人たちは誰も私と関係がない」と述べた。11月29日の総選挙を3週間余り後に控えた時期の捜査となった。
6人は同日中に釈放
捜査はバレンシア、コルドバ、マドリード、セビリアで行われた。判事はUCOの新たな報告書を受けてこの別件を開き、別件は秘密扱いとなっている。拘束された6人には、アバロス氏の自宅にいたパートナーが含まれる。elDiario.esによると、判事は6人を捜索に立ち会わせ、治安警察で供述する機会を与えるために拘束を指示した。6人は供述せず、5日の午後にいずれも釈放された。判事が今後、6人を捜査対象者として召喚し、事情を聴く見通しだと同紙は伝えた。
Adifには2018年の入札の資料
elDiario.esによると、Adifが求められたのは、アバロス氏が運輸相に就いて間もない2018年に入札があり、2019年に落札、2021〜2022年に工事が終わった契約の資料で、Adifの関係者は捜索を受けることなく要請に応じたと説明した。Azviへの要請はセビリアで行われ、同社は要請に応じたと説明し、冷静に受け止めているとEuropa Pressに伝えた。
首相「新しいことではないようだ」
サンチェス首相は5日、マドリードで開かれたイベロアメリカ首脳会議の後の記者会見で関係を否定し、「何も新しいことではないようだ」として、何年も前から司法が調べている事件だと述べた。「最初から司法への全面的な協力を表明してきた」とも話した。拘束された6人には、野党の国民党(PP)が2017年の社会労働党(PSOE)党首選の際にサンチェス氏の運転手だったと指摘する男性も含まれていたが、首相府(モンクロア)の関係者は、運転手だったことは一度もないと否定した。PSOEのコルドバ支部は、男性は実業家で一般の党員だと説明した。Europa Pressによると、政府内では、選挙で打撃になるかを疑問視する声が出ている。
コルド事件とは
コルド事件は、アバロス氏の顧問だったコルド・ガルシア氏の名で呼ばれる汚職事件。運輸省などのマスク調達をめぐる部分は最高裁で審理され、最高裁は6月22日に通知した判決で、アバロス氏に24年3カ月、ガルシア氏と仲介役の実業家ビクトル・デ・アルダマ氏にもそれぞれ拘禁刑を言い渡した。アバロス氏は服役しており、判決の取り消しと、審理の間の刑の執行停止を求めて憲法裁判所に申し立てたことが5日に報じられた。アルダマ氏は、最高裁が条件付きで刑の執行を停止し、収監されていない。EFEによると、モレノ判事は公共工事の見返りの疑いでアバロス氏ら約15人を捜査しており、今回の別件はこの捜査から分けられたものだという。

















