スペイン中部トレド県ウルダで10月28日に起きた高速列車の追突事故(死者69人)で、運輸省は6日、被害者と遺族を対象にした国の支援の申請受付を始めた。期限は申請ページで2027年2月5日(同省の手引きには2月6日とある)。対象は事故に遭った列車で負傷した乗客・乗務員らと、死亡者の配偶者や子などの遺族。返還不要の支援は死亡者1人につき7万2121.46ユーロ(遺族が複数なら所定の割合で分ける)、負傷は保険会社が認める傷害区分に応じた額。申請書で希望して認められれば、原則として同額を民事賠償の前払いとしても受け取れる。運輸省のQ&Aは、外国籍の人も申請できるとしている。
6日に受付開始、期限の記載に食い違い
手続きは、運輸・持続可能なモビリティ担当のホセ・アントニオ・サンタノ国務長官が5日夜に署名した決定で定め、公表から3カ月を申請期間とした。運輸省の申請ページとQ&Aは期限を2月5日とし、同省の発表を伝えたEuropa PressとEFEも同じ日付だが、手引きは2月6日と書いている。2月5日を待たずに出し、最新の案内を確かめたい。期限は延びることがあるが、本人の申し出と行政の決定はいずれも期限前に要り、延長は当初の期間の半分までだ。
申請できる人と金額
直接の被害者は、事故に遭った2本の列車の乗客、運転士、研修中の職員、車内の職員で、負傷した人。負傷の支援額は旅客強制保険の傷害区分に応じて2404.04〜8万4141.70ユーロ。遺族は、法的に別居していない配偶者(決定は登録した事実婚の相手も含める)、原則2年以上同居したパートナー(共通の子がいれば死亡直前の同居で足りる)、年齢を問わず死亡者の子。配偶者・パートナーの子も、未成年か、死亡者に生計を頼り年収が所定の基準以下の成人なら対象。これらの人がいなければ親、祖父母、兄弟姉妹の順となる。
前払いは将来の賠償と調整され、確定した賠償が前払いより少なくても差額は返さなくてよい。ただし賠償請求権を放棄した場合などは返還を求められる。すでに民事賠償を受け取った人は、前払いが減るか、出ないことがある。
必要な書類と窓口
申請は受給する人ごとに、運輸省の電子窓口か対面で公式の様式を出す。主な記載事項は氏名、スペインの税番号・外国人番号かパスポートの番号と発行国、生年月日と出生地で、本人名義の口座の証明も要る。関係に応じて追加の書類を求められる。負傷者は、RenfeかIryoの旅客強制保険の保険会社による傷害区分の評価書が必要で、病院の診断書では代わらない。評価書は本人が出すか、保険会社が行政に送ることに同意する。本人の責任によらず一通もない場合はその旨を伝えて申請でき、提出まで行政の決定の期限が止まる(申請期限は延びない)。手引きによると、未成年者の分は親などが申請し、口座は未成年者本人の名義とする。
政府は被害者が住む地域の政府代表・副代表事務所などに総合支援窓口を設け、窓口に行けない人にはスペイン国内のどこでも職員が自宅を訪ねる。
日本の読者への解説
日本政府は5日、この事故で日本人2人が死亡したことを確認したと説明している(既報)。Q&Aは外国籍の人も申請できるとし、パスポートを例に挙げる一方、自動で確認できない情報は書類を求めるとしている。スペインの行政手続法は国外のスペイン大使館・領事館も書類の提出先に含めるが、日本から今回の申請をどう出すかは、期限前に運輸省や総合支援窓口に確かめたい。緊急政令の記事も参照。
主な出典:スペイン運輸省(国務長官の決定、申請ページ、Q&A、申請の手引き)、スペイン官報、Europa Press、EFE。













