スペイン政府は6日(金)、欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁の後任候補として、元スペイン銀行総裁で現在は国際決済銀行(BIS)総支配人のパブロ・エルナンデス・デ・コス氏(55)を正式に推薦した。カルロス・クエルポ第1副首相兼経済相が、推薦の締め切り日だった同日、ユーロ圏の財務相会合(ユーログループ)のピエラカキス議長に書簡で伝えた。締め切りの午後5時(スペイン時間)までに推薦されたのは、同氏とオランダ中央銀行の元総裁クラース・ノット氏(59)の2人だけ。ユーログループは9日(月)の会合で2人を検討するが、その場では決めず、最終的にはユーロ圏の首脳が決める。

PR · 航空券
スペインへ、乗り継ぎなしで
成田〜マドリードはイベリア航空の直行便。日本語サイトなら日本円で航空券を買える。
日本語サイトで探す →

ラガルド総裁の早期退任

ECBによると、ラガルド総裁は10月29日、2027年2月7日に退任すると、ECBの政策理事会と欧州理事会のコスタ議長に伝えた。2027年10月までの任期を約9カ月残しての退任になる。ECBでは、ドイツ出身のシュナーベル理事も2027年の初めに任期途中で退き、アイルランド出身のレーン理事(チーフエコノミスト)も同年5月に任期を終える。役員6人のうち3人が入れ替わるため、各国が3つのポストをまとめて調整する可能性があると、エウロパ・プレスとEFE通信は伝えている。

決まるまでの流れ

エウロパ・プレスによると、EU理事会が候補を正式に推薦し、欧州議会とECBの政策理事会の意見を聞いたうえで、首脳が最終的に決める。ユーログループの説明では、ユーロ圏21カ国のうち16カ国以上、かつユーロ圏の人口の65%以上の賛成が必要になる。同通信によると、11月26・27日の首脳会議での合意が視野に入っている。EFE通信は、手順はまだ決まっていないとしたうえで、首脳がその会議で政治的に合意し、12月17・18日の首脳会議で任命を正式に決める可能性があると伝えている。

PR · 航空券
スペインの各都市へ、マドリード乗り継ぎで
東京からバルセロナ、マラガ、セビリア、ビルバオ、サンティアゴ・デ・コンポステーラまで、イベリア航空で航空券を探せる。
行き先を選んで探す →

2人の候補

エルナンデス・デ・コス氏は約30年前にスペイン銀行に入り、経済・統計・調査部門の責任者やフランクフルトのECB役員会の顧問を務めた。2018〜2024年にはスペイン銀行総裁としてECBの政策理事会に加わり、バーゼル銀行監督委員会の議長も務めた。クエルポ氏は「国際的に高い評価を受けた並外れた候補で、その経歴は指導力と独立性、対話の力を示している」とコメントした。EFE通信と国営放送RTVEによると、サンチェス政権に加えて最大野党・国民党(PP)のフェイホー党首も同氏を支持している(スペインでは11月29日に総選挙がある)。

ノット氏は2011〜2025年にオランダ中央銀行の総裁、2021〜2025年に金融安定理事会(FSB)の議長を務めた。EFE通信とRTVEは、ノット氏を金融引き締めに積極的な「タカ派」、エルナンデス・デ・コス氏を緩やかな政策を好む「ハト派」と位置づけている。エウロパ・プレスとRTVEによると、金融政策の専門家を対象にした公的通貨金融機関フォーラム(OMFIF)の調査でエルナンデス・デ・コス氏は最も適任とされ、ブルームバーグの経済学者調査でも、同氏を挙げた人がノット氏を挙げた人を上回った(RTVEによると12人対9人)。EFE通信によると、スペインからECB総裁が出たことはなく、オランダは初代のドイセンベルク総裁(1998〜2003年)を出している。

関連記事:スペイン銀行の経済見通し(10月)、11月29日の総選挙。

主な出典:ECB(10月29日の発表)、エウロパ・プレス、EFE通信、RTVE(ユーログループ議長の声明とスペイン経済省の発表は両通信社とRTVEの報道による)。

この記事をシェア:X (Twitter)WhatsAppLINE