スペイン労働省は11月4日夜、2027年の最低賃金を月額1,286ユーロ(額面、年14回換算)とする政令案を公表した。承認されれば、現在の1,221ユーロから65ユーロ、5.3%の引き上げとなる。案は5日から意見募集に入り、期限は16日。閣議での承認前で、金額はまだ決定していない。公布されれば、案では2027年1月1日から適用する。
年額1万8,004ユーロを提案
労働省の案は、農業、工業、サービス業に共通する最低賃金を月1,286ユーロ、年額では少なくとも1万8,004ユーロとする。いずれも各業種の法定の通常労働時間を基準とし、短時間勤務では労働時間に応じて按分する。現物支給を理由に現金の最低額を減らすことはできない。
現在の最低賃金は月1,221ユーロ、年1万7,094ユーロ。案がそのまま承認されれば、全日制の年額の下限は910ユーロ増える。政令案は、協約や契約に応じた手当などを考慮した年額と現在の賃金を比較し、不足する場合に必要な額を引き上げる仕組みを定める。比較額は全日制で少なくとも年1万8,004ユーロで、適用される手当などによってはそれを上回る。手当との調整があるため、最低賃金の上昇分がすべての人の給与にそのまま上乗せされるとは限らない。
エウロパ・プレス通信によると、労働省の専門家委員会は4.9%の引き上げを提案し、主要労組のCCOOとUGTは7%を求めていた。スペイン公共放送RTVEによると、専門家の4.9%は最低賃金の受給者が所得税を払わないことを前提にした案だ。新しい政令案はこの専門家案を上回る。労組は手当をめぐる規則の見直しも求めていると報じられている。
労働省の募集ページによると、政令案は4日午後11時19分に掲載された。5日午前0時から16日午後11時00分59秒まで意見を受け付ける。閣議で承認されるまでは内容が変わる可能性がある。政府の提案についての報道と、公表された文書の内容を区別して読む必要がある。
日本の読者への解説
スペインの最低賃金は、年14回の支給に換算した月額で報じられることが多い。特別給与を12カ月に分ける場合もあり、日本の月給と比べるときは年間の額面を確認する必要がある。今回の数字は意見募集に出された案で、適用が決まった額ではない。税や社会保険料を差し引いた手取り額とも異なる。雇用情勢については10月の雇用統計の記事で伝えている。

















