スペインなどイベロアメリカ諸国の閣僚会合で3日、人工知能(AI)分野の協力に向けた同盟構想について広い合意が得られた。アルゼンチンとパラグアイは閣僚宣言から距離を置いた。マドリードでの会合後、スペインのデジタル転換省は、データ、言語モデル、計算資源の3分野で連携する文書を4〜5日の首脳会議に採択に向けて提出すると説明した。各国の加入は任意だ。
各国がデータの提供条件を決める
同省によると、構想には、AIの開発に利用するデータへのアクセス、地域の言語やニーズに適したモデルの開発、計算資源へのアクセスに関する協力が含まれる。構想はスペイン語、ポルトガル語、その他の公用語を対象とし、先住民の言語についても利用可能な能力などに応じて段階的な対応を目指す。閣僚宣言では、その他の公用語の扱いに条項間で表現の違いがある。
データについては、各国の情報を一つの巨大なデータベースに集めるのではなく、それぞれの国が共有する情報と条件を決める分散型の仕組みを想定する。計算資源でも、必ずしも新たな地域共通の設備を造るのではなく、既存の資源を結び付ける方針だ。
同盟への加入国には、事情に応じて資金または現物による公的な貢献を求める構想だ。具体的な運営は共通の仕組みで定めるとしている。閣僚宣言の注記には、アルゼンチンとパラグアイが宣言から距離を置くと明記された。EFE通信は同盟の立ち上げを含む合意について、両国が距離を置いたと報じた。
首脳会議での扱いが次の焦点
EFEによると、同盟は首脳会議での承認を経て、各国の任意加入を受け付ける見通しだ。閣僚段階の合意と首脳会議での採択、個々の国の加入は別の段階となる。閣僚宣言も、首脳会議での採択後に各国に任意加入を呼びかけるとしている。
地域では既にスペインの言語モデル「ALIA」やポルトガルの「AMALIA」などの取り組みがある。デジタル転換省は、こうした既存の取り組みも活用すると説明した。データ保護や権利を尊重しながら、研究機関、行政、企業などで役立つAIの開発を目指す。
閣僚宣言は、デジタル環境でも人々の権利と自由を尊重し、安全で責任あるAIを進める方針を掲げる。合意から距離を置いた2カ国について、今後の加入を決めつけることはできない。
日本の読者への解説
イベロアメリカは、スペインやポルトガルと中南米の国々を結ぶ地域的な枠組みだ。今回の構想では、地域の言語をAIに反映し、データや計算資源へのアクセスを協力して進める。具体的な参加国や実施時期は今後の手続きを確認する必要がある。スペイン国内の政治日程については総選挙の解説も参照。

















