スペインのオスカル・プエンテ運輸・持続可能な移動相が退任し、カルロス・クエルポ第一副首相兼経済・通商・企業相が運輸省の通常の事務を担当することになった。政府が11月4日、退任と事務の担当を定める2本の勅令を官報に掲載した。プエンテ氏は多数の死者が出た中部ウルダの列車事故について国会で説明した3日夜、辞任を表明していた。新たな運輸相を任命する勅令ではなく、既存の閣僚に事務を担わせる措置だ。
官報に2本の勅令
4日付の勅令はプエンテ氏の運輸相としての退任を定め、もう1本は辞任による空席を受け、第一副首相兼経済相が運輸省の通常の事務を担うと定めた。クエルポ氏は第一副首相と経済相を兼ねている。
サンチェス首相は4日、クエルポ氏が一時的に運輸省を担当すると発表した。通信社エウロパ・プレスは、11月29日の総選挙の後に新政府が任命されるまでの暫定措置になると報じた。勅令自体には終了日は記されていない。
スペイン公共放送RTVEによると、経済省筋は、正式な閣僚の交代ではなく職務を引き受ける措置で、国王の前での宣誓も行わないと説明した。クエルポ氏は経済相を続けながら運輸省の事務を担当する。
首相府によると、クエルポ氏は欧州委員会やスペインの財務当局などでの勤務を経て、2023年12月に経済・通商・企業相となった。26年3月からは第一副首相も務める。首相は今回の声明で、プエンテ氏が始めた改革を引き継ぐことへの期待を示した。
首相はまた、事故で被害を受けた人たちを支援し、高速鉄道の正常化に取り組む考えを示した。
事故の説明の中で辞任を表明
プエンテ氏は3日の下院常設代表部で、10月28日に起きたウルダの高速列車事故について説明した終盤に辞任を表明し、総選挙の候補から退く意向も示した。辞任に際し、ウルダとアダムスで1年足らずの間に重大事故が2件起きたことに言及した。11月2日の現地当局の発表によると、ウルダの事故の死者は69人だった。辞任表明の経緯はこちら。
日本の読者への解説
今回の官報が定めたのは、運輸相の辞任によって空席となった省の通常の事務を、経済相でもある第一副首相が担当する措置だ。29日の投票と、その後に新政府が任命される時点は別であり、通信社は後者までの暫定措置になると報じている。勅令は担当を定めているが、終了条件を明示していない。人事の変更は列車事故の原因や法的責任を確定するものではなく、事故の調査とは区別する必要がある。

















