スペインの18〜29歳のうち、一人暮らしは8%にとどまり、46%が親の家に住んでいる。人材サービス会社のユーロファームズ・グループ(Eurofirms Group)が11月3日(火)に発表した調査で、こうした結果が出た。パートナーと暮らす人は31%、ルームシェアは7%だった。親など家族と暮らす人のうち、1年未満で独立できると考えるのは7%で、51%は3年以上先とみている。家にとどまる理由は「お金がない」が31%、「貯金のため」が20%で、半数が経済的な理由を挙げた。働いていて学校などに通っていない人でも35%が親の家に住んでいる。住宅の費用や手に入りやすさが独立の計画を「かなり」または「完全に」左右したという人は、この質問を受けた人の55%に上った。調査は調査会社イプソスが9〜10月に全国の2,000人にオンラインで聞いた。国家統計局(INE)の2025年の調査では、18〜25歳の93.4%が親の少なくとも一方と同居していた。対象の年齢や住まいの分け方、調べ方が違うため、数字は直接比べられない。
年齢が上がると「お金がない」が理由の1位に
家にとどまる理由は年齢で変わる。親など家族と暮らす18〜23歳では、「居心地がよく、急いでいない」(32%)が「お金がない」(27%)を上回った。24〜29歳では逆に「お金がない」が38%で、「急いでいない」の24%を上回った。24〜29歳では、一人暮らしは10%、親の家に住むのは33%だった。
仕事があっても独立できるとは限らない
働いた経験の有無で差が大きい。一度も働いたことがない人では75%が親の家に住み、働いていて学校などに通っていない人では35%だった。働きながら家族と暮らす人のうち、1年未満で独立する見込みの人の76%、1〜2年で独立する見込みの人の73%が、自分の仕事を「とても」または「かなり」安定していると答えた。この割合は、独立を5年より先とみる人では52%、独立できないと考える人では43%に下がる。独立できないと考える人では、仕事が「あまり」または「まったく」安定していないという人が58%を占めた。
同じ給与で仕事の中身も似ていれば、57%が柔軟な働き方より無期雇用の契約を選ぶと答えた。24〜29歳では62%だった。フルタイムで働く人の45%は手取りが月1,400ユーロ以下で、9%は1,150ユーロ未満だった。フルタイムで働く人のうち、手取りが月2,100ユーロを超えるのは10人に1人だった。フルタイムで働く女性では11%、男性では6%が1,150ユーロ未満だった(スペインの賃金と物価については関連記事)。
住宅費が子どもや引っ越しの計画も左右
住宅の費用や手に入りやすさが独立の計画を「かなり」または「完全に」左右したと答えたのは、この質問を受けた人の55%で、女性は60%、男性は50%だった。同じ程度に影響を受けたという人は、子どもを持つ計画で47%、パートナーと暮らす計画で46%だった。別の都市や州への引っ越し、進学や学び直し、起業の計画では、それぞれ42%だった。
人口の多い4州で比べると、親と暮らす18〜29歳の割合は、マドリード州、アンダルシア州、バレンシア州が44%、カタルーニャ州が49%だった。家計が苦しい(月末までやりくりできない、または基本的な出費は賄えても貯金できない)と答えたのは、バレンシア州とカタルーニャ州で43%、アンダルシア州で42%、マドリード州で31%。住宅費が独立の計画を左右したという人は、4州とも56〜59%だった。州ごとの回答者の数や誤差は発表に示されていない。独立していない人のうち、家計が苦しい家庭では42%が「独立したいがお金が足りない」と答え、貯金できる家庭の23%を大きく上回った。
国の統計と若者団体の分析では
INEが2026年4月27日に公表した2025年の生活条件調査では、18〜34歳の67.1%が親の少なくとも一方と同居していた。18〜25歳では93.4%、26〜34歳では44.3%だった。26〜34歳で親と暮らす人の主な理由は、「家を借りる余裕がない」が34.6%、「買う余裕がない」が12.7%、「買うか借りるために貯金している」が13.0%だった。
若者の団体などでつくるスペイン青年評議会(CJE)が5月に発表した「独立観測所」の2025年版では、親元を離れて暮らす16〜29歳は14.5%だった。CJEは記録が残るなかで最も低いとしているが、2025年版は算出方法を変えており、それまでの数字とは単純には比べられない。CJEによると、2025年末に住宅を一人で借りる家賃は平均月1,176ユーロで、給与所得のある若者の手取り月給(中央値)の98.7%に当たる。シェアして部屋を借りる場合でも33.6%が必要だという。EU統計局(ユーロスタット)の推計では、2025年に若者が親元を離れた平均年齢はスペインが30.2歳で、EU平均の26.3歳より4歳近く高い。
ユーロファームズは、調査は年齢・性別・学歴・州について代表的な標本で、全体の誤差は±2.51%(信頼水準95.5%)だとしている。ただ、回答者の募集や選び方は発表に書かれておらず、代表性を確かめる材料は限られる。INEの数字とは対象の年齢、調査の時期と方法、住まいの分け方が違い、直接は比べられない。この調査の数字は、回答した若者の状況や意識を示すものとして読む必要がある。
調査について
調査「Z世代と雇用されやすさ(Generación Z y empleabilidad)」は、カタルーニャ州ジローナ県カサ・デ・ラ・セルバに本社を置く同社が企画した。スペインに住む18〜29歳の2,000人へのオンライン・インタビュー(9月25日〜10月2日)と、4回のグループ討議(9月15〜17日)で構成し、実際の調査はイプソスが担当した。全8回の報告のうち、今回は第1回の「住宅と独立」で、今後は初めての仕事、給与、人工知能(AI)、心の健康などを扱う。同社のアナ・ゴルサ・グローバルCEOは「(安定した仕事を求める若者の考えを)理解し、安定と成長、はっきりした職業上の見通しを示す企業こそが、若い人材を最もよく引きつけ、引き留められる」と述べた。

















