スペイン中部トレド県のウルダ付近で10月28日朝に起きた高速列車の追突事故で、死者69人全員の身元確認が11月2日夜に終わり、身元が確認された死者のうち日本国籍の人は2人になった。多数の死者が出た災害のための国の手順に基づいて設けられた統合データセンター(CID)の集計として、通信社エウロパ・プレスが2日22時35分(スペイン時間。日本時間は3日6時35分)に報じた。CIDは、確かめた公式の数字を報道機関に示す権限を持つ唯一の機関とされる。死者の国籍はスペイン54人、外国15人で、外国籍は米国4人、オーストラリア2人、日本2人などだ。69人全員の家族に通知し、外国籍の人については各国の領事機関にも通知したとしている。日本国籍の死者は、1日深夜の集計(2日未明に報道)では1人だった。日本政府が2人目の死亡を確認したかどうかは、この記事の時点で確認できていない。CIDの集計には、日本国籍の2人を特定できる情報は示されていない。

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69人全員の身元確認、外国籍は15人

身元の確認は、トレドとシウダー・レアルの法医学研究所が進めてきた。指紋の照合は治安警察隊の鑑識部門が担当し、DNAの分析は国立毒物学・法科学研究所が同部門と協力して行った。2日夜の集計は次のとおり。

項目11月2日夜の集計
身元の確認69人全員
確認の方法指紋56人、DNA13人
国籍スペイン54人、外国15人
外国籍の内訳米国4人、オーストラリア2人、日本2人、アルゼンチン・カナダ・チェコ・フランス・メキシコ・ポルトガル・チュニジア各1人
性別男性40人、女性29人
通知69人全員の家族。外国籍の人は各国の領事機関にも
遺体55人を家族が引き取れる状態

出典はエウロパ・プレスが伝えたCIDの集計で、エル・パイス紙、ラ・セクスタ、RTVEも同じ集計を報じた。CIDは、家族に直接会って通知を確実に済ませてから、その人を公式の集計に加えているとしている。

1日深夜の集計では、確認済みが66人、未確認が3人で、残る3人の確認は家族がスペインに着くのを待っていた。このとき有効だった行方不明届は、オーストラリア国籍2人と日本国籍1人の3件だった。RTVEは、その後に家族が到着し、2日に確認の作業が終わったと伝えている。

日本人2人、これまでの経緯

木原稔官房長官は10月29日(日本時間)、乗客名簿に日本人2人の名前があるという連絡をスペイン当局から受けたと明らかにした。外務省は30日(日本時間)、2人は追突したRenfeのAVE(マドリード発セビリア行き)の切符を買っていたと明らかにした(TBS、FNN)。

11月2日(日本時間)には、外務省関係者が、日本人1人の死亡が確認されたとスペイン政府から連絡を受けたと明らかにした(共同通信)。木原長官は同日午前の会見で、スペイン当局の発表を承知しているとして、当局と連携して身元の確認と家族の支援にあたると述べた。TBSによると、木原長官はこの会見で、身元が確認されていない外国人の犠牲者にも日本人1人が含まれるというスペイン側の見解に言及した。一方、当時のスペイン当局の集計では日本国籍1人の行方不明届が有効とされていて、その人の死亡が個別に確認されたわけではなかった。

今回の集計で、身元が確認された日本国籍の死者は2人になった。日本政府が乗客名簿にあるとしていた2人と、亡くなった2人との関係について、日本政府の説明はこの記事の時点で確認できていない。日本人のけが人がいるかどうかも分かっていない。

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遺体の引き渡しと、家族を守る判事の決定

集計では、55人の遺体が家族が引き取れる状態になっている。日本国籍の2人の遺体の引き渡しや帰国の予定は、明らかにされていない。

州高等裁判所の説明を伝えた報道によると、捜査を担当するオルガスの裁判所の判事は、被害者や家族のプライバシーと尊厳を守り、二次被害を避けるため、被害者や家族に関する情報や画像の取得・拡散・公表を禁じた。身元の確認に必要な情報の公表は妨げないとしている。

けが人は、2日朝の集計でカスティーリャ・ラ・マンチャ州の病院に29人が入院し、うち9人が集中治療室(ICU)にいた。マドリード州保健当局の同日10時の集計では、同州の入院者は10人で、うち2人がICUにいた。両州の集計で、ほかの地域の病院の入院者は含まない。

3日は支援策の閣議と運輸相の説明

スペイン政府は3日の閣議で、被害者を支援する政令を決める予定だ。サンチェス首相は2日、乗客が加入する強制の旅客保険の補償額の2倍に相当する支援や、補償金を前払いする仕組みなどを挙げた。詳しい内容は、政令が決まってから明らかになる。プエンテ運輸相は3日17時から、下院の常設委員会で事故について説明する。

原因を巡っては、オルガスの裁判所の判事による非公開の捜査と、国の独立した事故調査機関(AITAT)の調査が続いている。2本の列車の記録装置は治安警察隊が保管していて、解析が始まったことは確認できていない。マドリードとアンダルシアを結ぶ高速線は止まったままで、再開の日は公式には決まっていない。トレド大司教が表明したトレド大聖堂での追悼の葬儀は、日時が発表されていない。

この記事は11月3日1時(スペイン時間。日本時間は同日9時)までに確認できた情報に基づく。日本政府の発表があれば、続報で伝える。家族・関係者向けの問い合わせ先、補償の仕組み、原因の捜査の経緯は2日の続報に、事故の経緯は事故当日の記事と29日の続報(いずれも当時の情報で、死者数などは古い)にまとめている。

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