スペインの国営宝くじ会社LAEは6日(金)、12月22日に抽選するクリスマス宝くじの今年のテレビCMを公開した。心臓移植を受けた男性が、売り場に残っていた最後の1枚を、偶然出会った女性と分け合う物語だ。臓器を提供した人と公的医療への敬意を込め、「分け合うことが命をくれる」と訴える。賞金の総額は前年より9,800万ユーロ多い28億7,000万ユーロ。1等は前年と同じく1枚あたり40万ユーロ(税引き前)。
心臓移植を受けた男性の物語
主人公のエドゥは、心臓の提供者が見つかったという電話を待っている。手術を受けた後は、街中で踊り出すなど、以前ならしなかったことをするようになる。
ある日、ふと予感がして、売り場に残っていた最後の1枚を買う。店を出ると、その番号を探す女性に出会う。亡くなった兄弟が、いつも買っていた番号だった。エドゥは胸に手を当てて「少し前に、ある人がとても大切なものを分けてくれて、もう一度生きられるようになった」と話し、1枚を分け合う。
題名は「コラソナダ」(予感)。スペイン語で心臓を意味する「コラソン」から来た言葉だ。CMはLAEの公式YouTubeチャンネルで見られる(公式動画)。
発表の場でLAEのヘスス・ウエルタ会長は、スペインの臓器提供者は「世界の先頭に立つ」とたたえた。10月末に起きたウルダ列車事故の犠牲者と家族にも、哀悼の意を示した(ウルダ列車事故の記事)。
抽選は12月22日、玉はすべて新しく
抽選は12月22日、マドリードの王立劇場(テアトロ・レアル)で行われる。発行枚数は2億500万枚で、前年より700万枚多い。賞金の総額28億7,000万ユーロは、発行総額41億ユーロの70%にあたる。いずれもLAEが7月に発表し、6日に改めて示した。番号と賞金を記した玉は、今年すべて新しくなる。主な賞は次のとおり。
| 賞 | 1枚あたり(税引き前) |
|---|---|
| 1等(エル・ゴルド) | 40万ユーロ |
| 2等 | 12万5,000ユーロ |
| 3等 | 5万ユーロ |
券面の絵は、プラド美術館が所蔵する三連祭壇画『受胎告知、降誕、神殿奉献』の中央の板絵。
ウエルタ会長によると、売れ行きは前年並みで、例年どおり抽選前の最後の1週間に伸びる見込みだ。
日本の読者への解説
クリスマス宝くじはスペインの年末の恒例行事で、今年で214年の歴史を数える。1枚(デシモ)は20ユーロで、販売は原則として抽選前日の12月21日まで。宝くじ売り場のほか、バルやたばこ店の端末でも買える。職場の同僚や家族で1枚を分け合う買い方も広く見られ、今年のCMもこの「分け合う」文化を描いた。抽選では、サン・イルデフォンソ学院の子どもたちが当選番号を歌うように読み上げる。
主な出典:LAE(公式YouTubeのCM、11月6日)、エウロパ・プレス(11月6日)、101TV(11月6日)、ボスポプリ(11月6日)、オンダ・バスカ(7月9日)、エル・エスパニョール(7月1日)。

















