欧州連合(EU)の財政上の利益を損なう犯罪を捜査・訴追する欧州検察(EPPO)は6日、スペインの高速鉄道マドリード〜セビージャ線で、安全・信号・通信システムの更新と改良に充てたEU資金をめぐる不正の疑いで、新たな捜査を始めたと発表した。この路線では10月28日、トレド県ウルダ付近で列車事故があり、69人が死亡した。6日には、捜査を支援する治安警察の中央捜査部隊(UCO)が、鉄道インフラを管理するAdif、国の鉄道安全庁(AESF)、会計検査院に出向いて資料を求めた。同じ路線では、1月に46人が死亡したアダムス(コルドバ県)の事故の後、3月にも欧州検察の捜査が始まっていて、今回が2件目。欧州検察は対象の契約や金額を明らかにしていない。

PR · 一時帰国
日本のSIMがなくても、着いた瞬間つながる
一時帰国の定番ポケットWiFi「NINJA WiFi」。主要空港で受取・返却、データ無制限プランも。日本の携帯契約を解約した在住者に。
料金と受取空港を見る →

欧州検察が自らの判断で着手、詳細は公表せず

欧州検察の発表によると、捜査は自らの判断(職権)で始めた。社会の関心が高いため例外的に捜査を確認したとし、現段階でこれ以上の詳細は公表しないとしている。エウロパ・プレスは捜査に詳しい関係者の話として、UCOがAdifで書類を回収したと伝えた。会計検査院は、UCOの係官が「欧州検察の要請で、情報の請求に関連して」庁舎に来たことを確認した。欧州検察が調べるのはEU資金をめぐる不正で、事故の原因は別に裁判所が調べている(エル・ディアリオ)。

エウロパ・プレスによると、会計検査院はUCOの来訪を確認した際、昨年12月に承認した監査報告に触れた。EUの復興基金を財源とするスペインの復興計画の事業について、AdifとAdif高速(Adif AV)が2024年末時点でどう管理していたかを調べたもので、入札の評価報告書で点数が不正に改変されたとする2件の告発について、Adifの調べ方に厳密さが欠けていたと指摘している。Adifは2022年12月、規則違反の兆候はないと結論づけていた。エル・ムンドは、この監査で指摘された問題はマドリード〜セビージャ線を中心にしたものではなかったと伝えている。

1件目は3月、報道は信号保安の契約に注目

1件目の捜査は3月、アダムス近くの区間の維持管理に充てたEU資金をめぐって始まった。欧州委員会は2024年6月、この路線のレールや橋、トンネル、排水設備などの更新に、欧州地域開発基金(FEDER)から1億1,000万ユーロ超を出すことを承認していた。エル・パイスとエル・ムンドは、焦点の一つとして、2021年に約9,400万ユーロで発注された古い信号保安システム(LZB)を新しい欧州標準(ERTMS)に置き換える契約を挙げているが、欧州検察は対象を明らかにしていない。

PR · 翻訳イヤホン
スペイン語が話せなくても、会話は成立する
Timekettle の双方向同時通訳イヤホン。バルの注文からタクシーまで、翻訳アプリを画面越しに見せ合う手間がない。
製品ラインナップを見る →

政府「全面的に協力」、野党は政権を批判

政府報道官のエルマ・サイス包摂・社会保障・移民相は6日、全く動じていないと述べ、全面的に協力すると語った。29日の総選挙を前に、国民党(PP)のカルメン・フネス保健・社会政策担当副幹事長は「汚職が人命を奪った」と述べ、捜査の結果は待つ必要があるとしつつ、サンチェス首相の退陣を求めた。極右Voxのホルヘ・ブシャデ欧州議会議員は、運輸省を「汚職の震源地」と批判した。捜査は始まった段階で、不正があったかどうか、あったとしても事故の原因にかかわるかどうかは確認されていない。

ウルダの事故の後、プエンテ運輸相が辞任を表明し、エル・ディアリオによると、Adifのマルコ・デ・ラ・ペーニャ総裁も4日に辞表を出して受理された。5日には、コルド事件の別件でも治安警察がAdifに資料を求めたが、今回の欧州検察の捜査とは別の事件だ。被害者への支援は6日に申請の受付が始まった。

この記事をシェア:X (Twitter)WhatsAppLINE