ハロウィーン前日の10月30日、スペイン各地で「Blocus」の名を使うSNSアカウントや通信グループを巡る摘発が相次いだ。EFE通信とEuropa Pressは、バレンシア、カタルーニャ、ビルバオ、テネリフェ、マラガなどで関係する逮捕者が10人前後になったと報じている。捜査当局は、31日の店舗略奪や暴力行為を促す投稿などへの関与を疑っている。一部は24日にバルセロナで起きた騒乱への関与を調べるもので、全員が同じ事件、同じ日に逮捕されたわけではない。

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全国約10人と報道──複数の機関が別々に捜査

30日のEFEの集計は10人で、未成年者4人を含む。内訳はバレンシア県3人、バルセロナ県2人、リェイダ県1人、テネリフェ2人、ビルバオ1人、マラガ1人だった。同日夕方のEuropa Pressも、関連する逮捕者を約10人と伝えた。

逮捕者数には報道差もある。Servimediaは30日18時24分に、水曜以降少なくとも11人、うち未成年者5人と伝えた。集計差の理由は確認できていない。以下の表は、EFEが伝えた10人の内訳である。

ただし、これは一つの全国一斉作戦で10人をまとめて逮捕したという意味ではない。国家警察、国家憲兵隊(Guardia Civil)、カタルーニャ州警察Mossos d'Esquadraが、それぞれの通信グループや投稿を調べた複数の捜査が含まれる。捜査が続く中で報じられた集計であり、全国の最終的な逮捕者数を確定した数字ではない。

地域EFEが30日に伝えた人数報道・発表にある主な捜査対象
バレンシア県3人国内の主導者と疑われる人物や、略奪を促す通信グループへの関与
カタルーニャ州3人24日のバルセロナの騒乱への関与や、31日の暴力的行為の呼びかけ
テネリフェ2人略奪、破壊行為、警察への攻撃を促す通信グループの運営など
ビルバオ1人SNSアカウントの管理と、騒乱を促す投稿など
マラガ1人マラガ県内の店舗略奪を呼びかけた疑い

表はEFEの集計時点の内訳である。逮捕された場所と、投稿が対象としていた場所も同じとは限らない。例えばマラガでの逮捕は、同市だけでなく近隣都市の店舗に関する呼びかけを調べたものだ。

バレンシア県では、国内の主導者とみられる人物を逮捕

国家憲兵隊は30日、バレンシア県ピカニャで、スペインのBlocusの創設・主導に関与した疑いがある人物を逮捕したと発表した。同隊は、この人物がTelegramグループを作成・管理していた疑いがあると説明し、SNS上で自らを国内の責任者としていたとしている。

国家憲兵隊によると、この捜査は24日にバルセロナで起きた店舗略奪や騒乱と関連し、31日の新たな呼びかけを前にしたものだった。捜査対象となる行為について、加重された公共秩序違反や犯罪組織に関する罪に当たる可能性があるとしている。

ここで「主導者」とするのは捜査当局の見立てである。逮捕されたことによって、Blocusという名称のすべてのアカウントや各都市の行動を一人が統括していたと確定したわけではない。公表文も、最終的な法的評価は今後の捜査によるとしている。

バレンシア県では、これとは別に国家警察が通信グループへの関与を疑う2人を逮捕したとEFEとEuropa Pressが伝えた。一人はグループの作成、もう一人は暴力的な行為を促す投稿への関与が疑われている。投稿内容や役割は個人ごとに調べられている。

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ビルバオ、マラガ、テネリフェでも摘発

ビルバオでは、国家警察が20歳の男性を逮捕した。内務省の公表によると、男性はBlocusに関連するInstagramアカウントの管理者で、31日の呼びかけとともに、市中心部で騒乱を起こすよう促す内容を発信していた疑いがある。

マラガでは、国家警察が同じく20歳の男性を逮捕したと内務省が発表した。捜査当局は、通信グループでマラガ市、フエンヒローラ、マルベーリャの店舗を巡る略奪を呼びかけ、武器の使用などを促していたと説明している。公共秩序や財産に対する犯罪の共謀、組織的な集団への所属などの疑いを挙げている。

テネリフェでは、国家憲兵隊が2人の逮捕を発表した。一人は未成年者で、通信グループを通じて略奪、破壊行為、警察への攻撃を促していた疑いがあるとしている。同隊は、呼びかけが街頭で実行される前に、関係する発信経路を停止させたと説明した。

いずれも捜査機関が発表した容疑や捜査内容であり、有罪判決ではない。SNSの管理者であること、暴力的な投稿をしたこと、実際の現場で行為に加わったことは、それぞれ確認を要する別の事柄になる。

カタルーニャでは24日の行為と31日の呼びかけを分けて捜査

カタルーニャ州の捜査には、すでに起きた24日の行為を調べるものと、31日に向けた投稿を調べるものがある。EFEなどによると、州内の逮捕者3人のうち2人が未成年者だった。

州警察が捜査する未成年者の一人について、公共放送3Catや地元報道は、24日のバルセロナでの略奪や騒乱の企画・調整に関係した疑いがあると伝えた。別の未成年者は、リェイダで31日に暴力的な行為をするよう促す通信グループの作成・管理への関与が疑われている。

一方、カタルーニャ高等裁判所の広報情報に基づく30日の報道では、リェイダの未成年者について、監督付きの釈放と、31日・11月1日の同市への立ち入り禁止が決まったとされる。逮捕の実績を集計した人数は、全員が引き続き身柄を拘束されている人数とは異なる。

この違いは、逮捕が何を対象としているのかを理解するうえで重要だ。31日を前にした摘発だからといって、全員が31日に初めて行為を実行しようとしていたと断定することはできない。逆に、過去の騒乱の捜査と、新たな呼びかけへの対応が並行して進む場合もある。

未成年者が含まれることからも、共通の名称を使っていたというだけで、全員の役割や関与を同じものとして扱うことはできない。グループを作ったのか、投稿を拡散したのか、個別の行為を促したのかなど、捜査で示される事実を区別して見る必要がある。

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31日の警戒が強まる一方、予定と発生事実は区別を

Europa Pressは、警察のSNS監視や特別警戒が強まる中、マドリード、バレンシア、バルセロナなどの商店が、ショーウインドーを板で覆うなどの対策を取っていると報じた。通信グループに投稿された内容への警戒は、店舗側の備えにもつながっている。

バルセロナでは、31日の呼びかけに備えて州警察が警戒を強める計画だ。ただし、警戒態勢を敷くことや店舗が予防措置を取ることは、その場所で必ず騒乱が起きるという意味ではない。逮捕や発信経路の停止によって、すべての呼びかけが止まったと判断することもできない。

今回の摘発で警察が説明している中心は、略奪や暴力的行為を促す具体的な投稿、通信グループの運営、過去の行為への関与などだ。Blocusという名称を見かけたことや、学生の抗議、一般のハロウィーン行事を、直ちに同じ事件や犯罪と結びつけるべきではない。

捜査当局の発表、SNSでの呼びかけ、実際に確認された現場の行為を分けて読むことが、過度な不安や誤情報の拡散を抑えるためにも必要になる。30日時点で報じられているのは、31日を前にした複数の摘発と警戒の状況である。

日本の読者への解説

このニュースの「約10人逮捕」は、31日のハロウィーンに騒乱が起き、その現場で約10人を逮捕したという意味ではない。記事の時点は前日の30日で、これから起きる可能性のある行為への対応と、24日にバルセロナで起きた行為の捜査が含まれている。日付を分けるだけでも、事件の捉え方は変わる。

もう一つ大切なのは、ネット上で共通の名称を使うことと、全員が同じ指揮命令系統に属することを区別することだ。国家憲兵隊は国内の主導者と疑う人物を逮捕したと発表しているが、それだけで各都市のアカウントや参加者の関係がすべて解明されたことにはならない。報道に出る「リーダー」という言葉も、捜査上の位置づけとして読む必要がある。

未成年者の逮捕が含まれる点も、刺激的な数字として消費すべきではない。SNSで誰かの投稿を見た人、呼びかけを拡散した人、グループを運営した人、具体的な犯罪行為を促した疑いがある人では、調べるべき事実が異なる。各人の役割や行為を確認せず、同じ名称の下で一括りにすることは、事件を正確に理解する妨げになる。

現地で暮らす人や旅行者にとっても、SNS上の予告と、実際の交通規制や営業状況は別の情報だ。店舗の予防的な対策を見て、その地域全体がすでに騒乱状態にあると判断することはできない。反対に、数人の逮捕があったという情報だけで、予定されている警戒や呼びかけがすべて終わったともいえない。

続報では、逮捕者数の増減だけでなく、誰にどの行為への関与が疑われ、司法手続きがどう進み、31日に実際に何が起きたかを確認することが重要になる。現時点の容疑と、その後に確認される事実をつなぎ合わせて判断したい。

バルセロナの31日の警戒については、再び「Blocus」の呼びかけ、州警察が警戒を強化でも伝えている。

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