スペインで冬の電気代が気になる人は、公的な割引制度「ボノ・ソシアル」の対象かを確認したい。2026年12月31日までは、条件を満たす「脆弱な消費者」に42.5%、より厳しい条件に当たる「重度に脆弱な消費者」に57.5%の割引が設けられている。ただし、請求額のすべてが一律にその割合だけ安くなる制度ではない。自宅の電気契約の名義人であること、規制料金PVPCを利用すること、所得や家族などの要件を満たすことが必要だ。外国人の申請に使うNIEの提出も公式案内に含まれている。
最初に、契約名義と料金プランを確認
ボノ・ソシアルは、主な住まいの電気契約を対象とする。借りている家でも、契約名義が大家のままであれば、自分の所得が低いという理由だけでそのまま申請できるとは限らない。請求書の契約者欄を見て、自分が名義人か確かめよう。
もう一つの条件が、規制料金のPVPCで契約していることだ。電力会社の自由料金プランに入っている人は、指定の小売会社である「コメルシアリサドーラ・デ・レフェレンシア」への申請と、PVPCへの切り替えが必要になる。消費者担当省は、自由料金からの切り替えを受け入れたうえでボノを同時に申し込めると案内している。PVPCを利用するための契約電力は10キロワット以下だ。
所得の目安は、世帯の人数で変わる
所得を使って対象を判断する一般的な枠組みでは、1人の場合は年1万2,600ユーロ以下が目安となる。同じ生活単位に大人が1人加わるごとに2,520ユーロ、未成年が1人加わるごとに4,200ユーロを基準に加える。家族関係などで定められる「ウニダー・デ・コンビベンシア」が単位であり、同じ住所で部屋を借りている人全員を機械的に合算するという意味ではない。
| 一般的な所得基準の例 | 年間の基準額 |
|---|---|
| 1人 | 12,600ユーロ |
| 大人2人 | 15,120ユーロ |
| 大人2人・未成年1人 | 19,320ユーロ |
| 大人2人・未成年2人 | 23,520ユーロ |
これは特別な加算がない場合の例だ。認定された障害、ひとり親世帯、一定の要介護状態など、基準が加算される事情がある。また、多子世帯の認定、一定の最低年金の受給、最低所得保障IMVの受給などを通じて対象となる枠組みもある。上の表を超えたからといって、すべての人が対象外と決まるわけではない。
所得の確認も、現在の手取り月給を12倍するだけではない。エネルギー省は、税務当局が把握する直近の課税期間の一般課税所得と貯蓄課税所得などを用いると説明している。申告義務がなかった人にも確認方法があるため、申告書がないというだけで諦めず、申請先に必要な証明を確認したい。
割引には、電気使用量の上限がある
割引はPVPCの契約電力に関する料金と電力量に関する料金に適用されるが、電力量の部分には対象となる使用量の上限がある。それを超えた電気は、割引なしのPVPCで請求される。したがって、「毎月の請求書の合計が必ず42.5%引きになる」「暖房をいくら使っても半額になる」という計算はできない。
57.5%の区分にも別の要件があり、申請者が好きな割引率を選ぶ制度ではない。まず自分がどの対象区分に当たるかを確認し、そのうえで請求書の対象項目と消費量を見て、実際の適用を点検する必要がある。
申し込みは、指定の小売会社へ
申し込みには、申請書、契約者や対象となる世帯員のNIF・NIE、住民登録証明、家族関係を示す書類などをそろえる。障害や多子世帯などの条件を使う場合は、その証明も必要になる。申請書と提出方法は小売会社の公式窓口で確認しよう。
エネルギー省の公式FAQには、対象条件や指定小売会社の案内がある。外国人の申請用書類としてNIEが挙げられており、日本人だから一律に申し込めないという制度ではない。ただし、所得や世帯、名義、料金プランの条件を満たすかは個別に審査される。
暖房や給湯などの負担を支える「ボノ・ソシアル・テルミコ」は別の仕組みだ。電気代の請求書からの割引ではなく、年ごとの給付で、原則として前年12月31日の電気ボノの対象者と結び付く。給付額や実際の支払時期などは自治州の案内を確認したい。電気ボノに申し込んだから、その場で暖房の給付が振り込まれるわけではない。
日本の読者への解説
取りかかる順番は、請求書で名義と料金プランを確認し、世帯構成と所得の確認資料をそろえ、指定小売会社へ申請する、の3段階だ。自分が使っている電力ブランドが有名かどうかではなく、契約がPVPCで、ボノを扱う指定会社かどうかが判断のポイントになる。
42.5%・57.5%という割合は、2026年末までの特例として案内されている。2027年も同じ割合が続くと決めつけず、年末をまたぐ場合は最新の告知を確認したい。誰でも使える値引きとして紹介するより、条件に合う人が、正しい契約と書類で申し込めるようにすることが、この制度を役立てる近道になる。













