スペイン北部バスク州の薪火焼きの店「アサドール・エチェバリ」が、2026年の「世界のベストレストラン50」で1位になった。発表はペルーの首都リマであり、現地時間4日(水)の夜、スペイン時間では5日の未明だった。エチェバリは昨年2位だった。スペインの店の1位は、これで4軒目になる。店は昼だけの営業で、コースは1人300ユーロ。同じ町で日本人の料理人が営む店も80位に入った。
火で仕上げる14皿のコース
店はビスカヤ県アチョンド町のアシュペという村にある。ビルバオとサン・セバスティアンの間の山あいだ。シェフはビトル・アルギンソニスさん。店はミシュランの一つ星を持つ。
主催者によると、シェフは薪の火で焼くバスクの料理を磨いてきた。料理はどれも焼き台の火を通る。アンチョビをのせたトーストも、締めのミルクのアイスクリームも同じだ。凝った技法は使わず、素材の味を前に出す。コースは14皿で、目玉は大きな牛の骨付きロースだという。
主催者の紹介によると、アルギンソニスさんは店の近くで育った。電気もガスもない家で、母と祖母が炉で料理をしていた。スペイン紙エル・ムンドによると、授賞式では「火の世界と、母や祖母たちの料理の仕方がなければ、エチェバリはありえない」と話した。火は、先祖が知恵を残してくれた最も古い技術だという。
スペインの1位は4軒目
スペインの店の1位は、エル・ブジ、エル・セジェール・デ・カン・ロカ、ディスフルタールに続く。昨年1位のペルーのマイドは殿堂入りし、今年から順位を争わない。2位はタイ・バンコクのガガン、3位はデンマーク・コペンハーゲンのアルケミストだった。順位は、料理人や食の専門家ら1,100人を超える人の投票で決まる。
100位以内に入ったスペインの店は次の7軒。マドリードのDiverXOは、昨年の4位から9位に下がった。
| 順位 | 店(場所) |
|---|---|
| 1位 | アサドール・エチェバリ(ビスカヤ県アチョンド) |
| 9位 | DiverXO(マドリード) |
| 29位 | エニグマ(バルセロナ) |
| 33位 | エルカノ(ギプスコア県ゲタリア) |
| 69位 | コシナ・エルマノス・トーレス(バルセロナ) |
| 80位 | チスパ(ビスカヤ県アチョンド) |
| 100位 | アポニエンテ(カディス県エル・プエルト・デ・サンタ・マリア) |
予約は申し込み制、昼だけの営業
店の公式サイトによると、予約はサイトで日付を選んで申し込む。空きがあればメールで連絡が来る。代金を前払いすると予約が確定する。返事が来なければ、空きがなかったということになる。予約欄には、空きがないときはキャンセル待ちのリストに入れるとも書かれている。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 料金 | 1人300ユーロ(税込み、飲み物は別)、全額前払い |
| 営業 | 昼だけ(12時30分か13時に開始) |
| 定休日 | 月曜と火曜 |
| 休業期間 | 12月24日〜1月10日と、8月の1か月 |
| 人数 | 2〜6人(子どもは12歳以上を推奨) |
ベジタリアンやヴィーガン向けのコースはない。取り消しは5日前までなら返金される。アルギンソニスさんはエル・ムンドの取材に、席の確保は店の最も深刻な問題の一つだと話した。この先の数か月はさらに難しくなるだろうという。それでも、席は増やしたくないと述べた。
日本の読者への解説
今年の50位以内に、日本の店は入らなかった。51〜100位には、大阪のLa Cime(52位)、東京の茶禅華(56位)、NARISAWA(59位)、フロリレージュ(61位)、傳(91位)の5軒が入っている。
エチェバリと同じアチョンド町には、日本人の料理人、前田哲郎さんの店「チスパ」がある。前田さんはエチェバリで働いたあと独立し、2023年に同じアシュペ村で店を開いた。今年は80位だった。年末年始にバスクを旅する人は、エチェバリが12月24日から1月10日まで休むことに注意したい。周辺の旅は冬と年末年始のサン・セバスティアン旅行や、ビルバオ観光の要点も参考になる。
主な出典:主催者の公式リスト「The 50 Best Restaurants 2026」(1〜100位)と主催者の発表(10月21日、11月5日)、アサドール・エチェバリ公式サイト(11月8日に確認)、エウロパ・プレス(11月5日)、EFE(11月5日)、エル・ムンド(11月5日)、カデナ・セル(2023年11月30日)、Forbes JAPAN(2024年1月18日)。

















