2026年12月から2027年1月にスペインを旅行するなら、まず祝日を確かめておきたい。全国の祝日は12月8日(火)、12月25日(金)、2027年1月1日(金)、1月6日(水)。なかでも25日・1日・6日は多くの店が閉まり、王宮やプラド美術館などの名所も休館か短縮営業になる。12月24日と31日は祝日ではないが、店も施設も早じまいが多い。バルセロナのあるカタルーニャ州では12月26日(土)も祝日だ。クリスマス市は例年11月上旬から下旬に始まり、多くは12月23日か31日に終わる。街のイルミネーションは1月6日の「三賢王の日」ごろまで灯る。2026年の点灯日や市の具体的な会期は公式の発表をまだ確認できないが、昨年はマドリードとバルセロナがともに11月22日に点灯した。大晦日には、テレビが中継するマドリードのプエルタ・デル・ソルの鐘に合わせて、12粒のブドウを食べて年を越す。1月5日の夕方には各地で三賢王のパレードがある。12月のマドリードは、平年の最低気温が4度を下回る。

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2026-27年の祝日と主な日付

国の官報(BOE)の祝日表などをもとに、年末年始の主な日付をまとめた。BOEは10月13日に2027年の祝日表を載せている。

日付祝日・行事と店の営業
12月7日(月)憲法記念日(6日)の振替休日。マドリード州、アンダルシア州など10の州・自治都市が対象で、これらの地域は5日から8日まで4連休。カタルーニャ州は平日
12月8日(火)全国の祝日(無原罪の御宿りの日)
12月22日(火)クリスマス宝くじ「エル・ゴルド」の抽選
12月24日(木)クリスマス・イブ。祝日ではないが、店も施設も早じまいが多い
12月25日(金)全国の祝日(クリスマス)。多くの店が閉まり、休館する施設も多い
12月26日(土)聖ステファノの日(Sant Esteve)。カタルーニャ州(アラン谷を除く)とバレアレス諸島州だけの祝日
12月30日(水)マドリードのプエルタ・デル・ソルで、年越しの「予行演習」
12月31日(木)大晦日。祝日ではないが、早じまいが多い。夜は鐘に合わせて12粒のブドウを食べる
1月1日(金)全国の祝日(元日)。多くの店が閉まり、休館する施設も多い
1月5日(火)夕方に各地で三賢王のパレード
1月6日(水)全国の祝日(三賢王の日)。多くの店が閉まる
1月7日(木)冬のバーゲン(rebajas)が始まるのが慣例。法律で開始日が決まっているわけではない

店の営業時間は店ごとに違う。大手スーパーのメルカドナは昨季(2025〜26年)、12月24日と31日を9時から19時までの短縮営業とし、25日と1月1日・6日は全店を閉めた。祝日に店を開けるかどうかのルールは州で違う。マドリード州は州法で各店が自由に決められる。カタルーニャ州は日曜・祝日に営業できる日を、州が決める年8日と市町村が決める2日に限っている(小規模店などは対象外)。2026年12月は州の日程で6日・13日・20日・27日の日曜が営業可能日で、バルセロナ市など大半の市町村では8日(火・祝)も加わる。25日と26日は、州法で原則として店を閉める日と決まっている。

主な観光施設の年末年始

時間指定で入場する施設は、短縮営業の日に入場枠が少なくなる。10月21日時点の各施設の公式サイトなどによると、年末年始の休館日と時間が変わる日は次のとおり。「記載なし」は、公式サイトに年末年始の特別な案内が見当たらないことを示す。

施設休館日時間が変わる日
サグラダ・ファミリア記載なし12月25日・26日、1月1日・6日は9時〜14時
カサ・ミラ12月25日、1月11日〜17日1月1日は11時〜20時30分
グエル公園記載なし記載なし
カサ・バトリョ「年中無休」としている記載なし
プラド美術館12月25日、1月1日12月24日・31日、1月6日は10時〜14時
マドリード王宮12月25日(今年は1月1日・6日も休館。2027年1月分は未掲載)12月24日・31日は15時閉館(切符は14時まで)
ソフィア王妃芸術センター12月24日・25日・31日、1月1日・6日(火曜定休)記載なし
アルハンブラ宮殿12月25日、1月1日記載なし
セビージャのアルカサル12月25日、1月1日・6日記載なし
コルドバのメスキータ12月分は未発表昨季は12月25日と1月1日が9時〜11時30分のみ
トレド大聖堂12月25日、1月1日(見学不可)12月24日・31日は10時〜14時
セゴビアのアルカサル12月25日12月24日・31日は14時30分閉館

サグラダ・ファミリアの冬の通常の開館時間は、月曜から土曜が9時から18時まで、日曜が10時30分から18時まで。

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クリスマス市とイルミネーション

2026年の具体的な日程は、10月21日時点で各都市の公式発表を確認できなかった。以下は主に昨年の日程で、今年もほぼ同じ時期になるとみられる。

バルセロナ スペインに本部を置く非営利団体が欧州の都市から選ぶ2026年の「欧州クリスマス首都」に、昨年12月に選ばれた。大聖堂前の通りで開かれるサンタ・リュシア市(Fira de Santa Llúcia)は、キリスト降誕の場面を飾る人形や苔、モミの木などを売る市で、昨年は11月28日から12月23日まで、215の店が並んだ。サグラダ・ファミリア前の広場でも、昨年は11月22日から12月23日までクリスマス市が開かれた。街のイルミネーションは、昨年は11月22日(土)にグラシア通りで点灯し、1月6日まで続いた。市は今年7月、照明の予算を460万ユーロ、飾り付けの総延長を130キロとし、デザイナーが手がけた照明を新たにランブラ・プリムとパセッチ・マラガイにも置くと発表している。

マドリード マヨール広場のクリスマス市は、市の観光サイトによると「11月末から12月31日まで」開かれる。昨年は11月27日から12月31日まで、104の店が出た。イルミネーションは、昨年は11月22日(土)にシベーレス広場で点灯した。照明を巡るバス「ナビルス(Naviluz)」は、現在はバス会社アルサ(Alsa)が運営する民間のツアーで、昨季は11月23日から1月6日まで(12月24日・31日と1月5日は運休)走った。予約は公式サイトで受け付け、昨季は途中で料金と運行間隔が変わった。

ビーゴ(ガリシア州) 大がかりなイルミネーションで知られる北西部の港町で、昨年は11月15日(土)20時に点灯した。今年の点灯日は、市長がまだ明らかにしていない。

マラガ 目抜き通りのラリオス通りは、昨年は11月28日(金)に点灯した。光と音楽のショーは1月4日まで毎日18時30分、20時30分、22時にあり、12月24日と31日は照明だけだった。

セビージャ 大聖堂とインディアス古文書館の間で開かれる、降誕の場面の人形を売る「ベレン市(Feria del Belén)」は、昨年は11月8日から12月23日までだった。

大晦日と三賢王の日

12月22日(火)には、クリスマス宝くじ「エル・ゴルド」の抽選がある。会場は例年どおりマドリードの王立劇場(テアトロ・レアル)と報じられている。

大晦日の夜は、マドリードのプエルタ・デル・ソルの時計の鐘に合わせて、12粒のブドウを食べる。鐘はテレビで中継され、各地の家庭でも同じように食べる。12回の鐘の前に予鈴が4回鳴るので、そこで食べ始めないようにしたい。前日の30日にも「予行演習」に人が集まる。昨年は広場の入場の上限を1万5,000人とし、入口を4か所に絞った。地下鉄と近郊線のソル駅は、30日と31日の18時から閉鎖された。同じ31日には、市民も走る10キロのロードレース「サン・シルベストレ・バジェカーナ」が開かれる。

年越しの夜の交通は、都市で対応が違う。昨年、バルセロナの地下鉄は31日から1月1日にかけて終夜運行した。マドリードの地下鉄には終夜運行はなかった。

1月5日の夕方には、東方の三賢王が街を練り歩くパレード(カバルガータ)がある。今年1月の例では、マドリードは18時にカステジャーナ通りを出発してシベーレス広場へ向かった。バルセロナでは三賢王が16時30分に船で港に着き、18時にシウタデリャ公園を出発したパレードが、21時10分ごろモンジュイックのふもとに着く予定だった。2027年の詳しい予定はまだ発表されていない。翌6日は、子どもたちが三賢王からプレゼントを受け取る日で、店の多くが休む。

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年末年始に食べるもの

大晦日のブドウは「1909年にアリカンテ地方のブドウが余ったのが始まり」とよく説明されるが、マドリードでは1890年代にはすでに新聞に記録がある。1909年は、習慣が広まったきっかけとみられている。1月6日には、輪の形をした菓子パン「ロスコン・デ・レイエス」を食べる。中には小さな人形と乾燥ソラマメが入っている。クリスマスの菓子トゥロンは、EUの地理的表示を受けた「ヒホナ」(やわらかい)と「アリカンテ」(硬い)がよく知られ、どちらもアリカンテ県のヒホナで作られる。カタルーニャでは、子どもたちが顔を描いた丸太「ティオ」を棒でたたいて、お菓子を「出させる」習わしがある。

天気と移動、日帰り旅行

天気 スペイン気象庁(AEMET)の1991〜2020年の平年値(マドリードは市内のレティーロ、ほかの4都市は空港の観測所)で、12月の平均最高気温と最低気温は、マドリードが10.4度と3.7度、バルセロナが14.7度と6.9度、セビージャが16.8度と7.4度、マラガが18.0度と9.2度、グラナダが15.0度と1.8度。内陸のマドリードやグラナダは朝晩が冷え込み、グラナダの1月の平均最低気温は0.5度だ。日の出は遅く、12月25日のマドリードは8時36分、日の入りは17時54分になる。

日本からの飛行機 日本とスペインを結ぶ直行便は、イベリア航空のマドリード〜成田線だけだ。10月下旬からの冬ダイヤは週3往復で、成田発は月・火・土曜の22時10分、マドリードには翌朝5時45分に着く。ほかは欧州や中東の空港で乗り継ぐことになる。

日帰り旅行 マドリードからトレドへは、アトーチャ駅から高速列車で30分あまり。セゴビアへはチャマルティン駅から高速列車で約30分だが、着く駅は中心から約6キロ離れており、市バスで約20分かかる。トレド大聖堂とセゴビアのアルカサルの年末年始の休みは、上の表のとおり。バルセロナからモンセラットへは、スペイン広場から近郊電車と登山鉄道で約1時間30分。山上へのロープウェイは例年1月に点検で運休する時期があり、今年は1月7日から29日まで止まった。

観光バスと現地ツアー バルセロナの乗り降り自由の観光バス「バルセロナ・シティ・ツアー」と、バルセロナ交通局(TMB)が運行する「バス・トゥリスティック」は、どちらも12月25日と1月1日は運休する。GetYourGuideなどのツアー予約サイトには、マドリードやバルセロナのイルミネーションやクリスマス市を巡るツアーが日本語のページでも並んでいる。

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スリに注意

外務省の海外安全ホームページによると、スペインの日本大使館と総領事館が把握した2024年の日本人の犯罪被害は232件で、約57%がバルセロナ、約14%がマドリードで起きた。約99%がスリや置き引きなどの盗難だ。マドリードではプエルタ・デル・ソルやマヨール広場、地下鉄などが多発地点に挙がっている。クリスマス市や年越しの広場のような人混みでは、バッグを体の前に持ち、スマートフォンをテーブルの上や浅いポケットに置かないようにしたい。

日本の読者への解説

日本の年末年始の休みを使ってスペインへ行くと、着いてすぐに大晦日と元日が来る。1月1日は多くの店や施設が閉まり、31日も短縮営業の所が多いので、美術館や名所は12月30日か1月2日以降に回すと動きやすい。サグラダ・ファミリアやアルハンブラ宮殿のように入場時間を指定する施設は、日程が決まったら早めに予約したい。サグラダ・ファミリアは、祝日の短縮営業の日に入場枠が少なくなる。

スペインのクリスマスは、日本のように25日で終わらない。1月6日の三賢王の日までが祝祭の期間で、街の照明もそのころまで灯る。1月5日の夕方にパレードがあり、翌6日は店が休む。バーゲンは7日から始まるのが慣例だ。

クリスマス市の会期やイルミネーションの点灯日は、各市が例年10月から11月にかけて発表する。この記事の2026年分の日程の多くは昨年の実績なので、出発前に各市や施設の公式サイトで最新の情報を確かめてほしい。

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