スタジオジブリが10月23日、スペイン北部オビエドのカンポアモール劇場で、2026年アストゥリアス王女賞のコミュニケーション・人文科学部門の賞を受け取った。代表して登壇したのは依田謙一社長。レオノール王女は演説で、母と妹と一緒に『崖の上のポニョ』を映画館で見た思い出を語り、ジブリの作品が自分たちの育ちの一部になったと振り返った。
トトロとともに、依田社長が登壇
王室が公開した式典の記録には、レオノール王女が依田社長に賞を手渡す場面が掲載されている。スペイン紙ASの当日の実況も、ジブリの社長がこの部門の賞を受け取ったと伝えた。
会場で取材したハフポストの報道によると、依田社長はトトロのぬいぐるみを伴って賞を受け取った。式典にはフェリペ6世国王とレティシア王妃、レオノール王女と妹のソフィア王女らが出席した。
ジブリは1985年、宮﨑駿、高畑勲、鈴木敏夫によって設立された。王室の紹介文は、手仕事を重んじる作画、自然への敬意、想像力、強さと複雑さを備えた女性たちの描写を特徴として挙げ、日本と世界をつなぐ文化の橋と位置付けている。
王室の紹介には『となりのトトロ』『もののけ姫』『ハウルの動く城』『千と千尋の神隠し』が代表作として並ぶ。今回、作品群を生み出してきたスタジオジブリ自体が、コミュニケーション・人文科学部門の表彰を受けた。
王女が語った『ポニョ』の記憶
演説の原文によると、母に連れられて『ポニョ』を見た際、ソフィア王女にとっては初めての映画館だった。妹はまだ2歳になっておらず、母の膝に座っていたという。レオノール王女は、自分は物語に夢中になったと振り返った。
さらに王女は、ジブリ作品に描かれる勇敢な姫や自然を尊ぶ姿勢に触れ、静けさやじっと見つめる時間もアニメーションの芸術に大切だと述べた。映画は作り手が意図しなくても人を育てるものであり、ジブリの緻密な手仕事と人間へのまなざしを評価した。
演説の結びでも、宮﨑監督の作品で用いられたフランスの詩人ポール・ヴァレリーの一節に言及した。受賞者の仕事を紹介するだけでなく、自身の幼い日の記憶と、これからを生きる世代の希望にジブリを結び付けた形だ。
日本の読者への解説
23日の授賞式で、スタジオジブリはコミュニケーション・人文科学部門の賞を受け取り、依田社長が代表して登壇した。王女自身の映画の記憶が公の演説で語られた点からも、日本のアニメーションがスペインの観客と共有してきた時間が伝わる。
授賞式前の来訪と関連企画は、ジブリのオビエド入りを伝えた記事で紹介している。













