『キン肉マン』の作者「ゆでたまご」が、2026年12月に開かれる第32回マンガバルセロナ(Manga Barcelona)に参加する。主催者が9月30日に発表した。イベントの会期は12月5〜8日、会場はフィラ・バルセロナ・グランビア。ゆでたまごが参加する企画は5・6・7日の3日間に予定され、サイン会の詳細は後日案内される。カタルーニャでは『キン肉マン』は「Musculman」の題名でテレビ放送や漫画の出版が行われてきた。日本の人気漫画家の来訪であると同時に、現地の視聴者や読者にもなじみのある作品の作者を迎える機会となる。

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嶋田隆司・中井義則のコンビが公式ゲストに

ゆでたまごは、原作・キャラクター原案を担当する嶋田隆司と、作画を担当する中井義則の共同ペンネーム。マンガバルセロナの公式ゲスト紹介も、2人からなるコンビとして掲載している。今回の主催者発表は嶋田だけ、あるいは中井だけを招くという告知ではなく、ゆでたまごという創作コンビを招待する内容だ。

『キン肉マン』は1979年に『週刊少年ジャンプ』で連載が始まり、1983年にはテレビアニメの放送がスタートした。超人たちの戦いと友情を描く漫画に加え、「キンケシ」などのキャラクター商品でも広く知られる。日本でそのブームを体験した読者にとって、作品名そのものが当時の記憶と結び付いているはずだ。

バルセロナの主催者は、作品の歩みをプロレスや格闘技を題材にした漫画として紹介し、代表作に『キン肉マン』や『キン肉マンⅡ世』などを挙げている。一方、具体的な登壇時刻、企画ごとの会場、サイン会への申し込み方法は、今回確認した来場発表には記されていない。

カタルーニャでは「Musculman」だった

この来場ニュースを日本から見る際に知っておきたいのが、『キン肉マン』とカタルーニャのテレビ文化とのつながりだ。作品は当地で「Musculman」として知られており、主催者の今回の告知も「KINNIKUMAN」にこの現地名を添えている。日本語の作品名とは違う名前で、同じ作品を覚えているファンがいる。

カタルーニャの公共放送TV3が2018年に公開した、テレビの思い出を振り返る特集では、批評家オスカル・ブロックが「Musculman」を選んだ。ブロックは主人公やオープニングの歌を印象深い記憶として挙げ、『Dr.スランプ』や『ドラゴンボール』といった日本のアニメとともに、自身の成長に大きな位置を占めた作品として語っている。これは個人の回想ではあるが、単に日本から輸入された作品というだけではない、受け手側の思い入れを伝えている。

歌にもその足跡が残る。2016年、子ども向けの「Super3」の25周年を記念したコンサートでは、カタルーニャのバンド「Els Catarres」が「Musculman」の歌を担当した。公共放送の当時の案内によると、コンサートでは番組の歴史を代表する曲が取り上げられ、交響楽団も参加していた。日本の漫画を原作とするアニメの歌が、現地の子ども向け放送の歴史を振り返る舞台に選ばれていたことになる。

漫画もカタルーニャ語で出版された。現地の漫画情報サイトComiCatによると、出版社Glénatは2006年11月から2008年6月にかけて、原作の当時の36巻分を2冊分ずつまとめた全18巻として刊行した。翻訳はマルク・ベルナベが担当した。テレビで作品を知った人が、カタルーニャ語の本として読める形にもなっていた。

ただし、これらはカタルーニャ語での放送・出版や、その受容を示す事実だ。今回の来訪に対するスペイン全土の反響や、イベント当日の観客の反応を示すものではない。漫画の再刊や新たな映像展開が来場に合わせて発表されるかどうかも、現時点では確認できない。

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会期は12月5〜8日、本人の参加予定は5〜7日

マンガバルセロナの日本語公式案内によると、会期中の開場時間は各日10時から20時まで。開催場所はフィラ・バルセロナ・グランビアだ。入場券はオンラインで販売され、会場にチケット売り場は設けられない。

来場を検討するファンは、イベントの会期4日間と、ゆでたまごの参加予定3日間を分けて確認する必要がある。主催者が今回告知した参加日は12月5・6・7日であり、最終日の8日については参加日として案内していない。また、参加日の告知は、その日の開場中いつでも本人に会えるという意味ではない。訪問計画は今後の時間割と企画別の参加条件を確認して立てたい。

特にサインを希望する場合、今回の発表だけでは受付方法や人数枠などは分からない。入場券の購入でサインまで確約されるとは判断せず、公式サイトや主催者の公式SNSで、サイン会についての続報を確認してほしい。開催案内には日本語のページも用意されている。

日本の読者への解説

日本から海外の漫画イベントを見ると、日本の作品がどれほど多く読まれているか、どれほど大きな会場を埋めるかに目が向きやすい。今回のニュースで興味深いのは、規模だけでは捉えられないつながりだ。『キン肉マン』は日本の読者には日本語の題名で、カタルーニャの視聴者には「Musculman」という題名や、その歌とともに記憶されている。同じ作品が、それぞれの言葉で日常に入り込んできた。

TV3の回顧特集とSuper3の記念コンサートは、その具体例となる。子どものころに見た番組を大人になって振り返ることや、昔のアニメの歌を聴いて当時を思い出すことは、日本の読者にも理解しやすいだろう。ただし、日本のキンケシブームと当地のテレビ視聴体験が、規模も内容も同じだったとまでは言えない。違いを残したまま、作品を通じて共有できる記憶があると見るのが適切だ。

カタルーニャでの展開を「スペイン語版」とひとくくりにしないことも大切になる。今回取り上げた放送と出版はカタルーニャ語によるものだ。原作の作者が日本にいても、視聴者が接する作品の声や言葉は翻訳・吹き替えを通じて届けられる。漫画が海外で読まれる過程には、作者だけでなく、翻訳者、放送局、出版社の仕事もある。ゆでたまごの来訪は、その積み重ねの先にあるニュースとして読むことができる。

12月にどのような交流が実現するかは、これからの企画発表を待つ段階だ。それでも、来場告知に「Musculman」という名前が添えられているだけで、日本では見えにくかった作品の歩みの一端が分かる。作者に会うための予定を立てるファンにとっても、海外での『キン肉マン』の歴史を知る読者にとっても、注目したい来訪となりそうだ。

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