スペインの国立統計局(INE)が10月30日に公表した速報によると、2026年7〜9月期の実質国内総生産(GDP)は前期比0.6%増、前年同期比2.7%増だった。前期比の伸びは4〜6月期の0.7%から鈍った一方、前年同期比は前期の2.6%から上がった。内需が前年同期比の成長を支えた。数値は季節と暦の影響を調整した速報値で、今後改定される可能性がある。
家計消費と政府支出が増加
INEによると、7〜9月期の家計の最終消費支出は前期比0.6%増、政府の最終消費支出は同0.9%増だった。前期比のGDP成長率0.6%に対する寄与は、内需が0.5ポイント、外需が0.1ポイントだった。
前年同期比で見ると、家計の最終消費支出は3.1%増、政府の最終消費支出は2.5%増。GDP成長率2.7%への寄与は、内需が2.6ポイントで、外需はほぼゼロだった。前の四半期と比べる数字と、前年の同じ時期と比べる数字では、寄与の大きさも異なる。
ただし、家計消費の前年同期比の伸びは前の四半期から0.4ポイント低下した。総資本形成は前年同期比2.1%増だったが、その伸びも前の四半期から2.3ポイント低下した。いずれも増加率が小さくなったという比較で、支出や資本形成が減少したという意味ではない。
輸出は前期比1.3%増、輸入は同1.1%増。産業別の付加価値では、工業が前期比0.7%増、サービス業が0.7%増だった。建設業の伸びは前期比でほぼゼロだったという。
INEの雇用関連の指標では、労働時間は前年同期比2.2%増、フルタイム換算の就業ポスト数は同1.6%増だった。いずれも前年同期比の伸びは前の四半期を下回った。この換算ポスト数は、実際の就業者の人数をそのまま数えたものとは異なる。
速報値の読み方
GDPは国内で生み出された付加価値を基に、製品への税や補助金も考慮して算出する指標だ。今回の前期比は4〜6月期との比較であり、前年同期比は2025年7〜9月期との比較を表す。前期比の伸びが小さくなっても、GDP自体が減少したことを意味するわけではない。
INEは、四半期終了から約1か月後に利用できる指標や推計を使って速報を作成している。多くの基礎指標は四半期の2か月目までのもので、一部の速報や推計で補う。今回の数字は確定値ではない。また、経済全体の成長率だけでは、個々の家計の所得や暮らし向きがどう変わったかまでは分からない。
スペイン銀行が10月に示した年間の成長見通しについては、こちらの記事で伝えている。年間の見通しと、今回の四半期の前年同期比は比較する期間が異なる。

















