スペインの在留カードTIEを更新している途中で日本に一時帰国する場合、更新の申請控えだけで再入国できるとは限らない。有効なカードを帰国時に提示できない人には、「アウトリサシオン・デ・レグレソ」と呼ばれる再入国許可が必要になる場合がある。通常の居住許可や長期滞在許可の更新中の人などを対象とし、有効期間は最長90日。利用できるのはスペインの国境検問所からの再入国であり、他のシェンゲン協定国を経由する経路にも注意が必要だ。年末年始の航空券を手配する前に、自分の許可・カードの状態と帰りの経路を確認したい。

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更新の申請控えと、再入国許可は別の書類

TIEは外国人の身分証明カードで、居住や長期滞在の許可そのものと、物理的なカードの更新手続きは区別する必要がある。更新の受付を示す「レスグアルド」は、申請した事実を証明する書類だ。それがあるからといって、期限切れのカードの代わりに、すべての国境で使える渡航書類になるわけではない。

国家警察の案内と外国人法施行規則5条によると、居住許可や滞在許可を法定期間内に更新・延長申請した人は、スペインを出て戻るための再入国許可を申請できる。カードをなくした場合も、有効なTIEの所持者が再発行を申請したことなどが要件となる。単に航空券を持っていれば発行される許可ではない。

初めての居住・滞在許可の申請中については、すでに許可の決定が出ていることに加え、渡航の必要性や例外的事情がある場合の規定が設けられている。初回の申請を出したばかりの人が、更新中の人と同じ条件で自由に出入りできると考えないようにしたい。EU市民の家族など、別の制度に当たる人は、自分の資格に対応する案内を確認する必要がある。

最長90日は、申請の時点で起算が違う

申請する時点有効期間の起算
居住・滞在許可の期限前その許可の期限が切れた日から最長90日
期限が切れた後再入国許可が交付された日から最長90日

規則にあるのは「最長90日」であり、申請すれば必ず出発日から90日使えるという意味ではない。実際に交付された書類の開始日と終了日を読み、スペインに戻る日がその期間内か確かめる必要がある。許可の有効期間中は、同じ書類での出入りの回数に制限を設けないとされているが、ほかの入国要件まで免除するものではない。

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申請前にそろえるもの

国家警察が案内する書式はEX13で、手数料の納付にはモデル790・コード012を使う。更新や延長を適法な期間内に申請したことの証明も、対象者に当たるかを示すうえで必要になる。パスポート、カード、更新申請の控えなどを手元にそろえ、管轄窓口の最新の提出書類案内を確認したい。

手続きは本人が出向いて行い、外国人事務所や警察の担当窓口で扱う。予約の方法や空き枠は地域によって確認が必要で、この記事で取得日や即日交付を保証することはできない。国家警察は、必要性のある渡航は優先的に扱うとしているが、航空券を購入したことだけでその扱いになるとは記していない。

申請書は移民担当省の公式書式一覧、手続きの条件は国家警察の再入国許可案内で確認できる。申請の予約、申請控え、許可の交付は別の段階なので、予約を取っただけで渡航の準備が済んだとは考えないようにしたい。

帰りの飛行機は、最初の入国地点を見る

この許可が有効なのは、スペインの指定された国境検問所での再入国だ。例えば、日本からパリに着いてマドリードへ向かう場合、通常はパリでシェンゲン圏の入国審査を受ける。スペインの再入国許可があるからフランスでも入国できる、とは言えない。

経由便を利用する人は、途中の国でシェンゲン圏に入るのか、空港の国際線区域内だけで乗り継ぐのかを確認し、航空会社と関係当局に必要書類を問い合わせたい。スペインに直接到着する便でも、有効なパスポートと実際に交付された再入国許可を用意し、書類の有効期間内に戻ることが基本になる。

書類の状態は、出発日と戻る日で変わることもある。出発時にはTIEが有効でも、日本にいる間に期限が切れるなら、帰りの搭乗・入国で提示するものを先に検討する必要がある。反対に、新カードを受け取ってから出発できる人は、更新中の許可を使う場合とは確認する状況が変わる。カード、許可、パスポートそれぞれの有効期限を同じ旅程表に書き出すと、見落としを減らしやすい。

日本滞在を延ばす場合も、帰りの便の日付だけを変えず、許可の終了日を再確認しよう。「最長90日」という制度の説明よりも、実際に自分へ交付された書類の期間を優先して判断する必要がある。

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日本の読者への解説

出発前には、帰国予定日のTIEの有効期限、更新・延長の申請日、再入国許可の交付と有効期間、帰りの最初の入国地点を順に点検するとよい。日本へ入国できることと、その後スペインへ再入国できることは別の確認事項だ。「更新は出した」「カードは受け取り待ち」という状況だけで、帰りの搭乗・入国条件まで満たしたと判断しないことが大切になる。

通常の更新の流れはTIE更新の既存ガイドで整理している。今回のガイドは、更新中の人が国外へ出るときの書類と経路に焦点を当てたものだ。自分の許可の種類や審査状況に合う案内を確認し、書類が交付される前に変更できない旅程を組まないようにしたい。

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