バルセロナの市バス(TMB)の運転士らが、10月8日(木)に続き、10月14日(水)、15日(木)、20日(火)、22日(木)、27日(火)、29日(木)の6日間、部分ストを行う。10月のスト日は8日を含めて7日になる。各日とも朝9時〜11時、夜19時〜21時、23時〜深夜1時の3つの時間帯に運行が大きく減る。州政府が定めた最低限の運行は、朝9時〜9時半と夜19時〜20時が通常の40%、それ以外のスト時間帯は20%。地下鉄、トラム、近郊線、空港バスのアエロブスはストの対象になっていない。10月8日の初日は停留所で最大40分待ちが出て、ストを知らずにバスを待つ観光客もいた。争点は週35時間労働を始める時期と、週2日続けて休める勤務表で、会社と組合の交渉は止まっている。9日(金)と、祝日の12日(月)を含む3連休はスト日ではない。スト日にバスで移動する人は、時間帯をずらすか、地下鉄に切り替えたい。

PR · 翻訳イヤホン
スペイン語が話せなくても、会話は成立する
Timekettle の双方向同時通訳イヤホン。バルの注文からタクシーまで、翻訳アプリを画面越しに見せ合う手間がない。
製品ラインナップを見る →

残るスト日と時間帯

日付ストの時間帯
10月14日(水)9:00〜11:00/19:00〜21:00/23:00〜深夜1:00
10月15日(木)
10月20日(火)
10月22日(木)
10月27日(火)
10月29日(木)

時間帯はTMBの発表による。呼びかけたのは、TMBグループでバスを運行するバルセロナ交通会社(Transports de Barcelona SA)の従業員代表委員会で、ACAT、ACTUB、CGT、CCOO、SIT、UGTの6労組が共同声明を出している。TMBは、各時間帯の始まる数分前と終わった後の数分も運行間隔が乱れることがあり、それ以外の時間帯はふだんどおり走る見込みだとしている。

最低限の運行は20〜40%

最低限の運行は、カタルーニャ州政府の企業・労働局が定めた。TMBの発表と地元メディアによると、次のとおり。

時間帯最低限の運行
9:00〜9:3040%
9:30〜11:0020%
19:00〜20:0040%
20:00〜21:0020%
23:00以降20%

地域の小型バス「バス・デ・バリ(Bus de Barri)」は、各路線で1台を確保する。20%の時間帯は、運行間隔がふだんよりかなり長くなる。

PR · eSIM
スペインの通信、出発前に解決
Airalo のeSIMならSIM差し替え不要、QR読み込みだけ。読者限定「SPAINPRESS」で新規15%オフ/全員「SPAINPRESS10」で10%オフ。
Airalo を見る →

地下鉄・トラム・アエロブスは対象外

ストを呼びかけたのはバス会社の従業員代表委員会で、TMBグループの別会社が運行する地下鉄は対象になっていない。トラム、カタルーニャ公営鉄道(FGC)、近郊線ロダリエスも運行会社が違い、対象外だ。空港とカタルーニャ広場などを結ぶ空港バス「アエロブス(Aerobús)」も、TMBではなく別の企業連合が運行しており、今回のストとは関係がない。

深夜バス「ニットブス(Nitbus)」は主に都市圏の別の会社が運行しており、観光バス「バス・トゥリスティック」とともに、影響は報道では確認できていない。利用する人は、TMBの公式サイト(tmb.cat)や、X(旧ツイッター)の運行情報アカウント @TMBinfo で確かめたい。なお、ロダリエスは10月上旬の大雨の後、一部の路線で代行バスが出るなど混乱が続いたので、乗る前に運行情報を見ておくとよい(大雨の記事)。

8日の初日は最大40分待ち

10月のスト初日となった8日(木)、TMBによると、スト参加率は午前が66%、午後が54%だった(公共放送3Cat)。組合側は、ストに参加できる人の100%が加わったと主張している。地元テレビのベテベなどによると、停留所では最大40分待ちが出て、歩いたり、シェアサイクルのビシングやタクシーに切り替えたりする人がいた。グエル公園方面に向かう24番の停留所では、ストを知らない観光客がバスを待っていた。同じ日の夜にエスタディ・オリンピックで開かれたコンサートのシャトルバスも、ストで運休した。

バスのストは9月22日(火)にもあり、8日はそれに続く2回目のスト日だった。

PR · eSIM
ヨーロッパ周遊なら複数国パックが安い
NordVPN と同じ Nord Security 系の eSIM「Saily」。データセキュリティ重視の設計で、ヨーロッパ複数国プランの割安感が強み。
Saily のプランを見る →

争点は週35時間をいつ始めるか

労働協約の更新をめぐる交渉で、組合は週35時間労働を2027年からすぐに全面的に導入するよう求め、会社は段階的に進める案を示している。組合はこのほか、週2日続けて休める勤務表と賃上げを求めている。組合の共同声明は、会社がいったんは全職員の週35時間を認めながら、2029年に予定する運行の見直しを理由に受け入れられないと態度を変え、短縮の対象を運転士に限ろうとしていると批判した。交渉は会社の「脅し」で止まっているとも訴えている。

9月下旬には、スト中止に向けた合意がまとまりかけた。UGTによると、最後に1つの組合が不十分だと異を唱え、会社が交渉を打ち切った。従業員の総会は25日(金)、10月のスト継続を決めた。会社側は、組合が最新の提案を拒んだと説明している。10月5日には州政府の仲介で協議したが、歩み寄れなかった。TMBの経営陣は「組合が最新の提案を拒んだことを遺憾に思う」とし、できるだけ早く交渉の席に戻るよう求めている。組合は、会社が動かなければ10月29日に総会を開いて次の手を決めるとしている。9日朝の時点で、ストの中止や新たな合意は報じられていない。

日本の読者への解説

スペインでは、公共交通のストでも、州や国が「最低限の運行(servicios mínimos)」を定めるため、完全に止まることはまずない。ただ、20%の運行は5本に1本の割合で、停留所で長く待つことになる。バルセロナの観光でよく使う路線では、グエル公園へ向かう24番などが影響を受ける。

旅行者は、まずスト日と時間帯を避けて動く計画を立てるのが確実だ。サグラダ・ファミリアには地下鉄L2・L5のサグラダ・ファミリア駅が、グエル公園には地下鉄L3のバルカルカ駅やレセップス駅(坂道を歩いて20分前後)が使える。空港との行き来は、アエロブスか地下鉄L9南線、近郊線R2ノルドを使えばバスのストの影響を受けない(空港行きのTMBの46番はストの対象)。スト時間帯(9〜11時、19〜21時、23時〜深夜1時)にバスを使う予定なら、時間帯の前後にずらすか、地下鉄の経路に切り替えておきたい。時間帯の前後数分も運行間隔が乱れることがある。

バルセロナでは10月、バスのほかにも交通のストが続いている。空港の地上業務を担うGroundforceの無期限ストについては空港ストの記事を、11月11日(水)に予定される全国のゼネストについてはゼネストの記事を参照してほしい。

この記事をシェア:X (Twitter)WhatsAppLINE