バルセロナのエル・プラット空港で、地上業務会社グラウンドフォース(Groundforce)の従業員による無期限ストライキについて、10月2日時点で終結や労使合意の発表は確認できていない。労働組合CGTが8月4日に始め、9月中旬に再開したストで、チェックインや搭乗、手荷物の積み降ろしなど、同社が受け持つ地上業務が対象だ。ルフトハンザ、エールフランス、KLM、フィンエアー、ターキッシュエアラインズ、カタール航空、エア・ヨーロッパなど、同社に業務を委託する航空会社の便が影響を受けうる。日本からの乗り継ぎでよく使われる航空会社が多く含まれる点に注意したい。一方、ブエリング、イベリア、ライアンエア、イージージェットは対象として挙がっていない。交通省は9月28日、10月1日から11月30日までの最低サービス(運航を確保すべき便の割合)を定める決定を出しており、国際線などは10月が57%、11月が55%だ。会社側は11月末まで続く前提で最低サービスを申請している。旅行者は、自分の便の運航会社が対象かを確かめ、預け荷物を減らすなどの備えをしたい。本記事は動きがあれば更新する。

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いま何が起きているか(10月2日時点)

ストを呼びかけたのは労働組合CGTで、対象はグラウンドフォースのバルセロナ拠点(Groundforce BCN 2023 UTE)で働く従業員だ。会社の申告では、8月時点で1,179人、9月17日時点で1,214人にのぼる。8月4日午前0時から無期限で始まり、時間帯の限定はない。

ストは9月に一時中断された後、CGTの声明によると9月16日に再開した(通信社の報道では17日)。CGTは理由として、スト委員会のメンバーで、労働安全衛生の代表でもある従業員2人が解雇されたことを挙げ、法的措置を取るとしている。組合によると、8月末の時点で、労使の最後の交渉は7月24日だった。

10月2日までに、会社や組合からストの終結や合意の発表は見つかっていない。交通省の10月の決定は、ストが11月30日までに取り下げられなければ、改めて最低サービスを申請するよう求めている。状況は変わりうるので、出発前に航空会社の案内で最新の運航状況を確かめてほしい。

対象の業務と航空会社

交通省が定めた最低サービスの文書によると、ストの対象は管理・監督、旅客対応、手荷物、貨物・郵便、駐機場での作業、機内清掃、運航・乗員の管理、地上輸送の8分野にわたる。報道では、第1・第2の両ターミナルでチェックインや搭乗、手荷物の扱いに影響が出るとされてきた。

カタルーニャ州政府の案内によると、対象の航空会社は、エア・ヨーロッパ、ルフトハンザ、エールフランス、KLM、カタール航空、ターキッシュエアラインズ、ITAエアウェイズ、ユナイテッド航空、フィンエアー、エティハド航空、SAS、エア・アラビア、LOTポーランド航空、クロアチア航空、中国国際航空、サウディア、アシアナ航空、エア・トランザット、ルクスエア、エル・アル航空の20社だ。グラウンドフォースは、エア・ヨーロッパと同じグロバリア・グループの会社だ。

確かめるべきなのは、航空券を買った会社ではなく、実際に飛行機を運航する会社だ。共同運航便(コードシェア便)では、予約画面の会社名と運航会社が異なることがある。

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最低サービスと、これまでの影響

交通省が9月28日に出した決定は、10月1日から11月30日まで有効だ。バレアレス諸島やカナリア諸島などの島しょ部の路線では10月・11月とも77%、国際線と、陸路の代わりの手段で5時間以上かかる国内線では10月が57%、11月が55%、5時間未満の国内線では10月が36%、11月が34%の運航を確保するよう定めた。救急や臓器の輸送などは100%だ。

交通省は、10月と11月に約1万400便、座席にして約210万席、約180万人の乗客が影響を受けうると見込んでいる(8〜9月は約1万1,600便と見込んでいた)。これは影響の可能性がある便の数で、実際に欠航する便の数ではない。CGTの集計では、ストが始まってから最初の15日間で270便が欠航し、約6,000個の手荷物が予定どおりに届かなかった。9月の再開後の欠航や手荷物の数字は、公表されたものが見つかっていない。

これまでの経緯は、8月の開始時の記事と9月の再開時の記事にまとめている。

旅行者が確認したいこと

まず、自分の便の運航会社が対象かを確かめる。対象の場合は、航空会社のアプリやメールで運航状況を確認し、空港には時間に余裕を持って向かう。手荷物の遅れがこれまでに多く報じられているため、可能なら預け荷物を減らし、薬や貴重品、着替えなど、すぐに必要なものは機内持ち込みの荷物に入れておきたい。

預けた荷物が届かなかったときは、空港の手荷物カウンターで届け出て、控えを受け取る。EUの案内によると、遅れについては受け取ってから21日以内、破損については7日以内に、航空会社へ書面で申し立てる必要がある。

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欠航・遅延の補償はどうなるか

EUの規則では、欠航になった場合、乗客は払い戻しか振り替えを選べ、待つ間の食事や、必要なら宿泊も受けられる。遅れた場合も、飛行距離に応じて2〜4時間以上で食事などの提供を受けられ、5時間以上なら払い戻しを選べる。距離に応じて250〜600ユーロの補償金が出ることもある(欧州連合司法裁判所の判例により、到着が3時間以上遅れた場合も対象になりうる)が、出発の2週間以上前に欠航を知らされた場合は対象外だ。

補償金については、ストの種類で扱いが変わりうる。航空会社自身の従業員のストは、補償が免除される「特別な事情」に当たらないと、欧州連合司法裁判所が2021年に判断している。一方、委託先の地上業務会社のストについては、スペイン航空安全庁が2019年に、航空会社があらゆる手を尽くしたと証明できれば「特別な事情とみなされうる」と説明し、カタルーニャ州政府は今回のストに関して「補償を受けられる可能性がある」と案内している。航空会社が欠航を避ける手を尽くしたと証明できるかどうかで、結論が変わりうるということだ。まずは航空会社に申し立て、結果に納得できなければ、スペイン航空安全庁に無料で申し立てることができる。

10月のそのほかの交通スト

バルセロナ市内では、市営バス(TMB)で労使交渉が決裂し、9月25日の従業員総会で、10月8日、14日、15日、20日、22日、27日、29日に部分的なストを行うことが決まった。時間帯は午前9〜11時、午後7〜9時、午後11時〜翌午前1時と報じられている。空港へ向かう路線が対象になるかや、最低限運行する本数は、10月2日時点で確認できていない。市内の移動にバスを使う予定がある人は、TMBの案内を確かめたい。

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日本の読者への解説

日本からバルセロナへは、フランクフルト、パリ、アムステルダム、ヘルシンキ、イスタンブール、ドーハなどで乗り継いで向かう人が多い。今回のストの対象には、こうした乗り継ぎ空港を拠点とする航空会社の多くが含まれている。影響が出るのは、乗り継ぎ空港とバルセロナの間を対象の航空会社が運航する便で、日本を出る便が予定どおりでも、バルセロナでの手荷物の扱いや、帰りのチェックインで影響を受ける可能性がある。一方、エミレーツ航空やブリティッシュ・エアウェイズ、イベリアは対象として挙がっていない。日本の航空会社の便名で予約していても、乗り継ぎ後の区間は提携先の欧州の航空会社が運航していることがあるので、運航会社を確かめたい。

スペインでは、ストライキは憲法で保障された権利で、空港や鉄道でも珍しくない。その代わり、政府が最低限運航すべき便の割合を決め、すべての便が止まらないようにする仕組みがある。日本の感覚では「ストで空港が止まる」と考えがちだが、実際には一部の便の欠航や遅れ、手荷物の遅延という形で影響が出ることが多い。

クレジットカードに付帯する保険や海外旅行保険には、手荷物が遅れたときに必要になった日用品の費用などを補償する特約があるものもある。出発前に契約内容を確認し、遅れた場合は航空会社が発行する証明書や領収書を保管しておくと安心だ。

本記事は10月2日時点の情報に基づく。ストの終結や新たな予告などの動きがあれば更新する。

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