スペインのアンヘル・ビクトル・トーレス領土政策・民主的記憶相(社会労働党)は10月9日、11月29日(日)の総選挙で下院の候補者名簿に入らないと表明した。2027年5月に予定されるカナリア諸島の州議会選挙に勝ち、州首相に返り咲くことを優先するためだ。トーレス氏は「私の意思であり、優先事項は、カナリアの選挙で再び勝つことだ」と述べた。党内には、ラス・パルマス県の名簿の筆頭に推す声もあったが、この表明でその可能性はなくなった。社会労働党カナリア支部は10月15日に総選挙の名簿を決める。
「名簿には別の仲間が入る」
トーレス氏は、アラゴン州ウエスカ県ビネファルでの行事で記者団の質問に答えた。「下院の名簿には出ない」と明言し、「ラス・パルマス県とサンタ・クルス・デ・テネリフェ県の名簿には、別の仲間が入る」と語った。党が選ぶ候補を支持し、選挙運動には身も心も打ち込むとしている。
社会労働党カナリア支部の地域委員会は、10月15日にラス・パルマス・デ・グラン・カナリアで、下院と上院の名簿を承認する予定で、名簿の顔ぶれはそこで決まる。総選挙の選挙運動は11月13日から27日まで行われ、新しい議会は12月23日に初めて招集される。総選挙でカナリア諸島に割り当てられる下院の議席は15で、ラス・パルマス県が8、サンタ・クルス・デ・テネリフェ県が7。
2023年に州政権を失う
トーレス氏は2019年から2023年までカナリア州の首相を務めた。2023年5月の州議会選挙で社会労働党は第1党になったが、地域政党のカナリア連合と国民党が連立し、フェルナンド・クラビホ氏が州首相に就いて、トーレス氏は政権を失った。現在は中央政府の閣僚で、2025年1月に再選された社会労働党カナリア支部の書記長も務める。カナリア連合は10月3日、2027年の州議会選挙でもクラビホ氏を州首相候補に立てることを全会一致で決めた。
日本の読者への解説
トーレス氏は、国会の議席より、翌年の州議会選挙で州政権を取り戻すことに力を集めると決めた形だ。カナリア諸島はアフリカ大陸の西の大西洋に浮かぶ島々で、ラス・パルマス県とサンタ・クルス・デ・テネリフェ県の2県からなり、独自の州議会と州政府を持つ。11月29日の総選挙は国会の選挙で、カナリアの州議会選挙は2027年5月に別に行われる予定だ。国の総選挙と翌年の州議会選挙がどうつながるかも注目される。













