スペインの野菜の缶詰業界で、全国労働協約の更新をめぐり、CCOOの産業部門(CCOO Industria)とUGTの産業部門(UGT FICA)が呼びかけたストライキが、9月25日(金)、10月7日(水)、8日(木)の3日間行われた。対象は全国の3万人あまりの労働者で、組合は初日の参加率を全国平均で約80%、ナバラ州とバレンシア州では90%を超えたと発表した。組合は年5%以上の賃上げと物価に連動した見直しの条項を求めている。組合によると、経営側の提案は年2.5%の賃上げで、さかのぼっての適用はない。組合は、協約で最も低い賃金が国の最低賃金を下回っていると訴えている。8日で当初の予定のストは終わったが、交渉の再開や追加のストの日程は明らかになっていない。
初日と2日目の参加率は組合発表で約80%
ストは、業界全体の賃金や労働時間を決める全国労働協約の交渉が行き詰まったことを受けたもの。缶詰の工場は、ナバラ州、エストレマドゥーラ州、ムルシア州、バレンシア州などに多い。初日の9月25日は24時間のストで、CCOOによると、チョビ、フベール、ナバリコなどの代表的な企業の工場からは、缶ひとつ、瓶ひとつ出荷されなかった。2日目の7日について、UGT FICAは全国の参加率を約80%と推計した。レオン県では約1,000人が対象で、地元のCCOOは、7日のストに多くの人が参加したと発表した。3日目の8日の全国の参加率を伝えた報道は、10日朝の時点で見当たらない。参加率はいずれも組合の発表による。
組合「協約で最も低い賃金は最低賃金に届かない」
組合によると、いまの協約の賃金表で最も低い賃金は年1万6,705ユーロで、2026年の国の最低賃金(月1,221ユーロの14回払いで、年1万7,094ユーロ)を下回る。年1万7,688ユーロの職種でも、最低賃金を3%ほど上回るだけだという。組合は、最も低い区分の基本給を年2万1,000ユーロ(月1,500ユーロの14回払い)にすること、最も低い基本給を最低賃金より5%以上高くすること、年5%以上の賃上げ、物価に連動した見直しの条項、さかのぼっての適用を求めている。
労働時間では、年間の上限を1,772時間から1,712時間(週37.5時間)に減らすことを求める。このほか、期間の定めのない契約の割合を90%以上にすること、病気やけがで休む間の手当の上乗せも要求に入っている。
組合によると、経営側は年2.5%の賃上げを提案し、さかのぼっての適用はない内容だという。さらに、労働時間の配分を柔軟に変えられる幅を広げることや、賃金の低い新しい職種をつくることを求めており、組合はこれに反対している。経営側の見解を伝えた報道は、10日朝の時点で確認できなかった。
日本の読者への解説
スペインでは、業界ごとの労働協約が、その業界で働く人の最低の賃金や労働時間を決める。協約は、業界の労組と経営者の団体の交渉で結ばれる。国の最低賃金は、労働者憲章法にもとづいて政府が毎年政令で定める下限で、協約の額がこれを下回る場合も、年間の総額で最低賃金に届くよう引き上げて払わなければならない。今回は、協約の賃金表の最も低い額が最低賃金に届いていないことと、賃上げの幅が争点になっている。11月11日(水)には、二大労組のCCOOとUGTが呼びかけた、住宅と賃金を掲げる全国ゼネストも予定されている(ゼネストの記事)。













