スペインのフェリペ6世国王とレティシア王妃は10月13日(火)の正午すぎ、北アフリカのスペイン領セウタに到着した。2014年の即位後、国王夫妻としては初めての訪問で、君主の訪問は2007年以来になる。市の中心部では数千人が国旗を手に「セウタは売り物ではない、セウタは自らを守る」と声を上げた。市のフアン・ヘスス・ビバス首長は議会宮殿での式典で、7月末にモロッコ側から大勢が押し寄せたあとの市を「いつ破裂してもおかしくない圧力鍋」と表現し、その時に入って市内に残る人々の母国への帰還を求めた。政府は訪問を「歴史的」と評価した。国王夫妻は夕方に海で亡くなった人々の追悼式典に出る予定で、セウタに泊まり、14日にメリリャを訪れる。

PR · eSIM
ヨーロッパ周遊なら複数国パックが安い
NordVPN と同じ Nord Security 系の eSIM「Saily」。データセキュリティ重視の設計で、ヨーロッパ複数国プランの割安感が強み。
Saily のプランを見る →

数千人が国旗で歓迎

地元紙エル・ペリオディコ・デ・セウタなどによると、アフリカ広場や周辺の通りには朝から人が集まり、教会の鐘が鳴るなか、「カバーリャ(セウタの人の愛称)は決して屈しない」といった掛け声や、「陛下、あなた方の家へようこそ」と書いた横断幕で迎えた。国王夫妻は議会宮殿のバルコニーから群衆に手を振った。

右派系のニュースサイト、リベルタ・ディヒタルやエスディアリオによると、バルコニーに姿を見せたアンヘル・ビクトル・トーレス国土政策相には、集まった人の一部から指笛やブーイングが起きた。トーレス氏は移民危機への対応を指揮している。サンチェス首相は同行していない。

首長「セウタは傷ついている」

地元紙エル・プエブロ・デ・セウタなどによると、ビバス首長は議会宮殿の「玉座の間」での式典で、「セウタは何よりもまず、海峡のこちら側のスペインだ」と述べた。7月末の出来事で約10万人が国境とスペインの領土を侵すために「利用された」とし(報道では約7万〜8万人とされている)、「セウタは傷ついている」「耐えているが、あきらめてはいない」と訴えた。そのうえで、この時に入って市内に残る人々の母国への帰還、安全と安定を保証する新しい時代の基盤、国境の管理や主権に関わる決定を他国に左右させないことを求めた。1640年にセウタがスペインを選んだ歴史に触れて「骨の髄までスペイン」だと強調し、「セウタ万歳、スペイン万歳、国王万歳」で演説を締めくくった。式典では国王に市の「金の鍵」を贈った。式典での国王の発言は伝えられていない。

PR · VPN
日本のサービスをスペインから、スペインの配信を日本から
NordVPN で接続地を切り替え。動画配信・銀行アクセス・カフェWi-Fiの暗号化まで、海外と日本の間で暮らす人の定番。
NordVPN を見る →

政府「歴史的だが、まったく普通のこと」

EFE通信やヨーロッパ・プレス通信によると、エルマ・サイス政府報道官は13日の閣議後の会見で、訪問を「歴史的」で「とても重要」としたうえで、スペインの2つの都市への国王夫妻の訪問として「まったく普通のこと」だと述べた。7月末にモロッコ海軍の艦艇がセウタの海域に入ったことは、12日にエル・パイス紙が報じるまで公表されていなかった。サイス氏はこれを「単発の出来事」とし、「非常に緊張した日々だった」と認めつつ、両国の良好な関係のなかで平常どおり解決したと説明した。両都市の領有を主張するモロッコ政府の公式な反応は、13日午後の時点で報じられていない。

夕方は追悼の式典、14日はメリリャ

予定では、国王夫妻は16時45分に公立のビセンテ・アレイクサンドレ校を訪れ、18時にはイスラム教徒の墓地シディ・エンバレクで、7月30日と31日に海で亡くなった人々を追悼する式典に出る。19時からはパラドール(国営ホテル)で市民社会の代表と会い、国王があいさつする。民主化後、国家元首がセウタに泊まるのは初めてで、14日にはメリリャを訪れる。背景は11日の記事、2日前の野営地の立ち退きはこちらで伝えている。

この記事をシェア:X (Twitter)WhatsAppLINE