セウタを訪れているスペインのフェリペ6世国王は10月13日(火)、市民社会の代表を前に演説し、「わが国の主権と領土の一体性は交渉の対象ではない。議論の余地のないものだ」と述べた。7月末にモロッコ側から大勢が国境を越えた出来事を「皆にとって衝撃だった」とし、非正規に入った人々は原則として、できるだけ早く、法に定められた手続きで出身地に戻るべきだと述べた。スペインにいる間は常に尊厳と人間性をもって扱われなければならないとも付け加えた。モロッコとは、互いの信頼と尊重に基づく良好な隣国関係を保つべきだとした。セウタの人々には「あなた方を孤立させず、無防備にはしない」と語った。国王夫妻はこれに先立ち、海で亡くなった人々が葬られたイスラム教徒の墓地で黙とうした。14日にはメリリャを訪れる。
「セウタはスペインであり、ヨーロッパだ」
王室が公開した演説の全文によると、国王は7月30日と31日の出来事を「ばく大な数の人々によるわが国の国境の侵害」と呼び、その影響は社会、政治、経済、心理の面に及ぶとした。入った人の大半はその後戻り、ほかの多くは受け入れ施設にいるとも述べた。セウタはスペインであり欧州連合(EU)の一部で、その国境はEU共通の国境だとして、セウタへの脅威はEU全体への脅威だと述べた。一方で、非正規に入った人々には、市民の共存のルールとセウタの人々の権利と自由を厳格に守るよう求めるべきだとも述べた。モロッコとの良好な関係には双方の誠意が必要で、あくまで先に述べた原則に基づくものだと指摘した。今こそ当局、地方と国の機関(王室を含む)、政党が、自らも含めて結束し、曖昧さも中途半端さもなく、市民にふさわしい姿勢をとるときだと述べ、王室の「全面的で、恒久的で、紛れもない関与」を約束した。あの日々に亡くなったすべての人への悲しみも表し、国家警察と地元警察、治安警察隊、兵士、市民保護(防災)と医療の担当者、公務員、ボランティアに感謝した。
地元局セウタTVとニュースサイトのリベルタ・ディヒタルによると、演説は国営ホテルのパラドールで、この日の最後の公式行事として行われ、国王夫妻は市民社会の150人とあいさつを交わした。演説は大きな拍手で終わった。EFE通信によると、国王夫妻はこの日、市庁舎の記帳簿に連名で、今回の訪問を「長く望み、果たせずにいた訪問」とし、「借りがあった。今日それを返す」と書いた。
墓地で黙とう、学校も訪問
EFE通信などによると、国王夫妻は市内のシディ・エンバレク墓地で、7月30日と31日に海で亡くなった人々を追悼した。キリスト教、イスラム教、ユダヤ教、ヒンドゥー教の代表が同席し、国王夫妻は墓の前で黙とうした。EFE通信によると、この墓地には海で亡くなった約90人が葬られ、銘板には「2026年7月30日と31日にセウタの海岸で命を落とした人々がここに眠る」と刻まれている。帰り際には、墓地のあるロス・ロサレス地区で数百人が国王夫妻を迎えた。
墓地に先立つ午後には、マンサネラ地区のビセンテ・アレイクサンドレ校を訪れた。EFE通信によると、3〜12歳の141人が通い、約7割がイスラム教徒の子どもで、国王夫妻は4〜5歳のクラスで子どもたちと同じ机に座って話した。到着とビバス首長の演説はこちらの記事で伝えている。













