スペイン東部バレンシア県アルムサフェスにある米フォードの工場が、1976年の操業開始から50年を迎えた。10月7日には記念行事の始まりとして、スペイン視覚障害者協会(ONCE)が50周年を記念した宝くじ券を工場で発表した。工場はいま、大きな転換点にある。フォードは7月23日、中国の自動車大手、吉利(ジーリー)と、この工場を拠点とする合弁会社をつくると発表した。出資はフォードが66%、吉利が34%で、規制当局の承認を前提に2027年上半期に事業を始め、2028年からは吉利ブランドの電気自動車も生産する予定だ。工場の2025年の生産は約9万9,000台に落ち込んでいた。

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50年前に初代フィエスタ

工場は1976年に操業を始め、同じ年の10月に初代フィエスタを生産した。ONCEの記念の宝くじ券は550万枚発行される。工場長のダニエル・ルイス氏はこれを50周年の祝賀の始まりと位置づけた。

2028年から新しい車種

7月23日の発表によると、合弁会社は、いまの主力のクーガの生産を続けながら、2028年から新しい車種を加える。欧州向けの新型ブロンコ、フォードが設計して吉利と共同で開発する家族向けのクロスオーバー、それに吉利ブランドの電気自動車のSUV2車種で、最初の車種は2028年に生産を始める。工場の潜在的な生産能力は年に約50万台とされる。発表の日には、サンチェス首相も工場を訪れた。

工場の2025年の生産は約9万9,000台で、通年では過去最低だった。従業員は約4,100人いる。9月末には、フォードと工場の最大労組である労働者総同盟(UGT)が、吉利の参入に備えて2030年までの労働協約で合意した。

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中国製EVをめぐる欧州の動き

欧州連合(EU)は2024年10月末から、中国製の電気自動車に追加の関税をかけている。10月9日には、EUと中国が、中国製のハイブリッド車とプラグインハイブリッド車の対EU輸出を抑えることで大筋合意した。中国のメーカーが欧州で現地生産を広げる動きは、スペインでも進んでおり、バルセロナの旧日産工場では、中国の奇瑞(チェリー)の電気自動車の生産が2026年末か2027年初めに始まる予定だ。

日本の読者への解説

アルムサフェスの工場は、バレンシア市の南にある、スペインを代表する自動車工場の一つだ。米国の自動車メーカーが中国のメーカーと組んで欧州の工場を生かす形だ。米国では9月、ダフィー運輸長官がフォードに書簡を送り、吉利との合弁など中国企業との関係を問題視したが、フォードは「見当違い」と反論している。

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