2019年夏に起き、スペインで過去最大とされるリステリア菌の集団感染をめぐり、セビージャの食品会社マグルディスの関係者ら6人の刑事裁判が、10月16日(金)にセビージャ県裁判所で始まる予定だ。同社が製造した「カルネ・メチャダ」と呼ばれるほぐし肉の加工品が原因とされ、裁判の段階の報道では、4人が死亡し、7件の流産があり、200人を超える人が被害を受けた。罪名は公衆衛生に対する罪、過失致死、胎児への傷害などで、検察は経営者らに最大で禁錮11年半を求めている。審理は43回に及び、2027年1月まで続く見込み。

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被告は経営者の一家ら6人

被告は、会社を実質的に経営していた男性、生産の責任者だったその妻、会社の登記上の唯一の取締役だった息子、関連会社の代表だったもう一人の息子のほか、建築技術者と、セビージャ市の獣医の検査官の6人。裁判は県裁判所の第7部が担当する。このほか、マグルディス社と関連会社の法人2社も裁判の対象になっている。捜査の段階では7人が対象だった。起訴の内容には、電力の不正使用と公文書偽造の罪も含まれている。

検察は、実質的な経営者と息子の一人に禁錮11年半、妻ともう一人の息子に禁錮10年を求めている。一方で、検察は市の獣医の検査官を起訴しておらず、検査官が被告になっているのは被害者側の訴えによるものだ。消費者団体FACUAなど被害者側は、主な被告に最大で禁錮12年、獣医の検査官にも禁錮10年を求めている。

市の責任も争点に

セビージャ市は、公判を開く決定で補充的な民事責任者とされ、検察も同じ立場をとっている。被害者79人を代理するFACUAは、主な被告には賠償を払う資力がないとして、市の職員である獣医の検査官が有罪になれば、最終的に市が賠償を支払うことになるため、その有罪が被害者の救済にとって決定的だと主張している。

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2019年の集団感染

集団感染は2019年夏、アンダルシア州を中心に広がった。州政府は「ラ・メチャ」のブランド名で売られていた製品の製造を止めさせ、のちに同社のすべての製品を回収の対象にした。予審判事は、治療のために州の病院で約80万ユーロの費用がかかったと記している。世界保健機関(WHO)が2019年9月に公表した時点では、確定した患者は222人、死者は3人、流産は6件だった。その後の調べで死者と流産の数は増え、裁判の段階では死者4人、流産7件、患者は200人を超えるとされている。傷害の罪の件数は、検察の起訴状で235件、公判を開く決定では245件とされている。

日本の読者への解説

リステリア菌は、加工肉や乳製品などの食品を通じて感染し、妊婦や高齢者、免疫の弱い人では重い症状や流産につながることがある。今回の裁判では、食品を作った会社の責任に加え、衛生の検査を担う市の責任がどこまで問われるかが注目されている。判決が出るまで、被告は無罪と推定される。

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