10月26日に開幕する第39回東京国際映画祭(11月4日まで)で、スペインのロドリゴ・ソロゴイェン監督の新作『愛しい人』(原題 El ser querido)が、ガラ・セレクション部門で日本初上映される。ソロゴイェン監督は、日本でも公開された『理想郷』で、2022年の同映画祭のグランプリと監督賞を受けている。新作はハビエル・バルデムとビクトリア・ルエンゴが主演する。上映は10月31日(土)20時55分からのTOHOシネマズ日比谷と、11月3日(火・祝)15時30分からのヒューリックホール東京の2回。チケットは10月17日から、公式のオンラインチケットサイトで先着順に販売されている。映画祭の公式データによると、今年はスペインが製作国に入る作品が全部で7本上映される。ハビエル・カルボとハビエル・アンブロッシが監督し、アルモドバル監督が製作総指揮を務めた『La Bola Negra』(原題のまま)も、10月31日に1回だけ上映される。2人は今年のカンヌ映画祭で監督賞を受けた(ポーランドのパヴェウ・パヴリコフスキ監督と同時受賞)。

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『愛しい人』はどんな作品か

映画祭の公式解説によると、ベテランの映画監督エステバンが、新作のヒロインに娘のエミリアを起用する。長く疎遠だった娘との関係を取り戻そうと考えてのことだった。エステバンをバルデムが、エミリアをルエンゴが演じる。上映時間は135分で、言語はスペイン語、英語、フランス語。日本語字幕と英語字幕が付く。

作品は今年5月、第79回カンヌ映画祭のコンペティション部門で上映された。今年のカンヌのコンペティションには、スペイン映画が異例の3本選ばれ、その1本だった。主要な賞は逃した。映画祭の公式データでは、10月20日の時点で、2回の上映とも舞台あいさつや質疑応答の予定は登録されていない。公式データには、日本の配給会社の記載もない。

ソロゴイェン監督とは

映画祭の紹介によると、ソロゴイェン監督は短編『Madre』で米アカデミー賞の候補になり、スペインのアカデミー賞にあたるゴヤ賞を、これまでに6回受賞している。2022年の『理想郷』(原題 As bestas)は、ゴヤ賞で9部門を制し、フランスのセザール賞も受けた。

日本では、『おもかげ』(2020年10月公開)や『理想郷』(2023年11月公開)などが劇場公開されている。『理想郷』は、スペイン北西部ガリシア地方の山村に移住したフランス人夫婦と、地元の住民との対立を描いた作品だ。

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ほかのスペイン関係の作品

映画祭の公式データで、製作国にスペインが入る作品は、『愛しい人』を含めて7本ある。

『La Bola Negra』(ワールド・フォーカス) 詩人で劇作家のフェデリコ・ガルシア・ロルカの未完の戯曲から着想を得た、3つの時代の愛と喪失の物語。ハビエル・カルボとハビエル・アンブロッシの監督作で、アルモドバル監督が製作総指揮を務めた。今年のカンヌ映画祭で、パヴェウ・パヴリコフスキ監督の『Fatherland』とともに監督賞を受けた。上映は10月31日16時40分からのTOHOシネマズ日比谷の1回だけ(159分)で、英語字幕は付かない。

『あの試合』(ワールド・フォーカス) 1986年のサッカー・ワールドカップ準々決勝、アルゼンチン対イングランド戦を、フォークランド紛争の記憶と重ねて描くドキュメンタリー。アルゼンチンとスペインの合作。

『私の人生の16の瞬間』(ワールド・フォーカス) カタルーニャ州バニョレス生まれのアルベルト・セラ監督が、ドイツの女優で歌手のイングリット・カーフェンのパリ公演を記録したドキュメンタリー。

『木々から遠く離れて』(ウィメンズ・エンパワーメント) バルセロナ生まれのメリチェル・コレル・アパリシオ監督の作品。絶滅の危機にある言語を記録するため、ペルーのアンデスを旅するサウンド・アーティストを描く。10月27日の上映では、プロデューサーの質疑応答が予定されている。

このほか、チリなどとの合作『メルトダウン』(ウィメンズ・エンパワーメント)と、アルゼンチンとの合作『ときに悲しみ、ときに反逆』(ユース)も上映される。コンペティション部門の15作品に、スペインが製作国に入る作品はない。

チケットの買い方

一般販売は10月17日に始まり、部門ごとの先着順で売られている。料金はガラ・セレクションが一般2,700円、ワールド・フォーカスなどが一般2,200円。買えるのは公式のオンラインチケットサイトと、会期中に開く有楽町駅前のチケットセンターだけで、各劇場の窓口では売らない。1回の申し込みで買えるのは2枚までで、払い戻しや交換はできない。

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日本の読者への解説

東京国際映画祭は、日本での劇場公開が発表されていないスペイン映画を、劇場の大きなスクリーンで見られる機会でもある。ソロゴイェン監督は2022年に同映画祭で最高賞を受けており、『理想郷』は受賞の翌年に日本で劇場公開された。今回の上映が日本での公開につながるかも注目される。

『愛しい人』の10月31日の回は、終映が23時10分と遅い。映画祭のチケット案内によると、東京都の条例により18歳未満は23時以降に劇場に出入りできず、保護者が同伴していても同じなので、18歳未満はこの回を最後まで見ることができない。もう1回の11月3日は祝日の午後の上映だ。『La Bola Negra』は英語字幕が付かない点にも注意したい。

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