議会承認なき軍事行動の継続
ドナルド・トランプ米大統領によるイランでの軍事行動は、国際法上の問題に加え、米国内の法律、特に議会の承認なしに軍事行動を継続する期限を巡って、重大な法的疑義が生じています。3月2日にイランへの爆撃を議会に正式通知してから60日以上が経過した4月30日時点で、議会の承認は得られていません。
政権側の主張と専門家の見解
トランプ政権は、一部で報じられている「停戦」を理由に、戦争権限法に基づく60日間の期限が停止または猶予されていると主張しています。しかし、多くの法専門家はこの解釈に疑問を呈しており、議会が戦争を宣言または承認しておらず、差し迫った攻撃や国家非常事態でもない状況下での軍事行動継続は、法律違反であるとの見方が有力です。国連事務総長も、米国とイスラエルによるイランへの軍事行動、およびその後のイランによる報復を国際法違反として非難しています。
日本の読者への解説
米国では、1973年の戦争権限法により、大統領が議会の承認なしに軍事行動を開始した場合、60日以内に議会の承認を得るか、あるいは撤退しなければなりません。この法律は、ベトナム戦争の反省から制定されたもので、大統領の権限を抑制し、議会の関与を保証するものです。今回のトランプ政権の対応は、この法律の趣旨に反する可能性があり、米国の三権分立や議会主権といった民主主義の根幹に関わる問題として注目されています。日本においても、専守防衛の原則や、自衛隊の海外派遣における国会の事前承認の重要性など、安全保障と議会の役割について考える上で参考になる事例と言えるでしょう。
ホルムズ海峡の通航再開に向けた動き
一方、イランと米国・イスラエルの間の交渉は停滞しており、世界の石油貿易の約20%が通過するホルムズ海峡の通航は依然として困難な状況が続いています。こうした中、トランプ政権は、同海峡の海上交通の再開を支援するため、同盟国に対し、新たな連合体の形成を呼びかけていることが報じられています。この動きは、米国単独での問題解決の限界を示唆するとともに、国際社会の協調を求める姿勢の表れと見られます。原油価格も、この情勢を反映して高騰しています。

