ラ・リーガ EA SPORTS 2026-27シーズンの第1節が8月15日から27日にかけて開催され、開幕試合はデポルティボ・アラベス対ヘタフェCF(8月15日 19:00キックオフ)で幕を開けた。閉幕試合は8月27日21:00からのFCバルセロナ対アスレティック・クラブ。中でも注目のレアル・マドリード対レアル・ソシエダ戦は8月26日水曜21:00、サンティアゴ・ベルナベウでの延期開催となった。理由は2026 FIFAワールドカップの余波──レアル・マドリードから準決勝進出組が5人おり、リーガ機構が最低休養期間を配慮して日程を後ろ倒しにしたためだ。久保建英を擁するレアル・ソシエダにとっては、W杯組も休養と復帰時期の異なる強豪との対戦となる。本稿は第1節の全体像、注目試合、久保建英の去就(8月末=市場閉幕1週間前時点)、そして本シーズンの見どころを整理する。
第1節スケジュール──W杯後の変則的な13日間
ラ・リーガ2026-27シーズンの第1節は、通常なら金〜日曜の3日間に集中するが、今シーズンは8月15日(土)から8月27日(木)まで足かけ13日間という異例の長さになった。理由はW杯期間中の疲労を配慮し、W杯参戦選手の多い一部チームの試合を後ろ倒ししたためだ。とりわけ準決勝進出国(優勝スペイン、準優勝アルゼンチン、3位フランス、4位モロッコ)に選手を送り出したクラブが最大の恩恵を受けた。
公表されている主な試合日程は以下の通り。
- 8月15日(土)19:00:デポルティボ・アラベス対ヘタフェCF(開幕試合、メンディソローサ)
- 8月15日(土):セビージャFC対ラージョ・バジェカーノ
- 8月15〜24日:他クラブの試合(ラシン・サンタンデール対ビジャレアル、デポルティーボ対エルチェ、アトレティコ・マドリード対マラガなど)
- 8月25日(火):バレンシアCF、レアル・ベティスなどの初戦
- 8月26日(水)21:00:レアル・マドリード対レアル・ソシエダ(ベルナベウ、延期開催)
- 8月27日(木)21:00:FCバルセロナ対アスレティック・クラブ(第1節閉幕試合)
W杯延期の対象となった試合は第1節ながら、実質的には第2節以降の合間に消化される「アプラサド(延期)」扱いで、勝ち点は第1節の集計に組み込まれる。この変則的な開幕は、ファンタジーゲーム(Fantasy LaLiga)の運用にも影響し、リーグ側は「W杯延期試合の得点は該当節に反映」と特別ルールを公表している。
レアル・マドリード対レアル・ソシエダ──W杯疲労と久保建英の見せ場
ベルナベウで行われるレアル・マドリード対レアル・ソシエダは、通常の第1節なら開幕週末の目玉となる対戦だ。今回は8月26日水曜21:00へ延期された。マドリードにはベリンガム、ロドリゴ、バルベルデ、ヴィニシウス(*直近の登録国代表次第)、加えてスペイン代表準決勝進出組といったW杯参戦選手が多数在籍しており、休養と準備期間を最低限確保する必要があったためだ。
レアル・ソシエダの視点から見ると、この試合は久保建英にとってプレシーズン明けの実質的な初戦となる(第1節の他試合が既に消化された可能性はあるが、報道機関の予想メンバーでは主要ローテーション組の入れ替わりが激しい)。8月半ばのプレシーズン報道では、久保はチェルシーとのフレンドリー(8月15日)に出場し、レアル・ソシエダ復帰試合を消化済み。W杯後の疲労が抜けきらない状態でのベルナベウ乗り込みとなる。
チーム状況としては、レアル・ソシエダはマタラッツォ監督体制の2年目に入り、久保のポジション(右ウィング〜インサイドFW)はチーム戦術の中核に据えられている。市場価値は2024年1月時点の6,000万ユーロから2,000万ユーロまで下落した一方、契約は2029年まで、違約金6,000万ユーロは据え置き。この「市場評価とクラブ条件の3倍の乖離」が、8月末時点で移籍がまとまらない構造的な理由となっている。
久保建英──夏の移籍市場、動きなく残留の公算
2026年6月から8月末まで続いた夏の移籍市場で、久保建英に対する具体的な移籍オファーは表面化していない。プレミアリーグ勢のリバプール、トッテナム、エバートンが関心を示していると噂されていたが、8月半ばまでに霧散した。地元紙エル・ディアリオ・バスコは「良いニュースとは、ニュースがないことだ」と論評し、レアル・ソシエダにとっては久保保持が最良の結果である、との見方を示した。
2025-26シーズンの久保は24試合1,508分出場、2得点4アシスト、イエロー2枚。得点はいずれもアウェー戦で挙げたもので、ホームでは複数の決定機を外している。2026年1月にハムストリング、6月15日以降には膝の負傷(W杯オランダ戦での接触と報じられている)で離脱期間があり、フル稼働できなかったシーズンとなった。W杯後のプレシーズンは7月末に合流し、ズビエタ練習場での膝の負荷テストを経てチーム全体練習に復帰。マタラッツォ監督が抱擁で迎えた場面がクラブ公式SNSで公開された。
市場閉幕は9月1日。それまでにサプライズ移籍がなければ、久保は2026-27シーズンをレアル・ソシエダで戦うことが確定する。契約が2029年6月末までであることを考えると、実質的には「今冬か来夏の移籍」が現実的な選択肢となる。
バルサ対アスレティック、開幕戦アラベス対ヘタフェ、その他の見どころ
第1節閉幕試合となるFCバルセロナ対アスレティック・クラブは8月27日木曜21:00キックオフ。ハンジ・フリック監督体制の3年目に入るバルサは、ラミーヌ・ヤマルとロベルト・レバンドフスキ(*契約延長次第)を中心に据えた攻撃陣で臨む。相手のアスレティックは新体制下でイニャキ・ウィリアムスとオイハン・サンセットが主軸。両クラブとも欧州カップ戦の予選期間中で、選手起用の負担が大きい時期の対戦となる。
開幕試合のアラベス対ヘタフェは、いずれも中位定着を狙うクラブ同士の実力戦。19:00キックオフというやや早めの時間帯設定は、W杯疲労のない両クラブが余裕を持ってシーズン入りできるための配慮とみられる。
そのほか注目クラブの初戦は以下の通り。アトレティコ・マドリードは自宅でマラガと対戦(マラガは2025-26セグンダ優勝で昇格した古豪)、ラシン・サンタンデール対ビジャレアルはビジャレアルにとってUEFA チャンピオンズリーグ予選と並行する厳しい日程、デポルティーボ対エルチェは伝統2部の実力派同士の対戦だ。
本シーズンの構造的な見どころ
2026-27シーズンのラ・リーガは、いくつかの構造的な焦点を抱えている。①レアル・マドリードの世代交代がベリンガム=ヴィニシウスの2軸で完成するか。②バルサはヤマル依存を修正できるか。③アトレティコ・マドリードは移籍活動で若返りを進めるか、シメオネ体制の限界を露呈するか。④中位クラブ間の差が縮小し、いわゆる「三強+その他」の構図が「三強+実力派4〜5クラブ」に変容するか。⑤日本人選手では久保建英が「移籍せずに輝く」ことができるか(レアル・ソシエダの欧州カップ戦なしのシーズンなので体力配分の余裕はある)。
また、ラ・リーガ機構は放映権バンドルの北米重視戦略を継続しており、日曜早朝キックオフ(マドリード時間14:00)の試合が北米プライムタイムに合わせて増加している。日本のファンにとっては、深夜帯(日本時間3:00〜7:00)の試合が多く、生観戦のハードルは変わらず高い。
日本の読者への解説
日本の読者にとって、ラ・リーガ2026-27シーズンの最大の関心事は久保建英の去就と出場機会だろう。8月末時点の状況を整理すると、①移籍は事実上見送り、②レアル・ソシエダで主軸として起用される公算、③欧州カップ戦なしのシーズンなので体力配分に余裕あり、④2026 FIFAワールドカップの疲労と2月〜3月に予想される日本代表招集の間に、リーガでのコンディション調整が焦点、となる。8月26日ベルナベウ戦は、W杯後の実質的な「復活試合」として、日本の視聴環境(DAZN、ABEMA、WOWOWなど契約状況次第)でも注目対象となるはずだ。
視聴環境の実務面では、日本ではDAZNがラ・リーガの主要放映権を保有しており、ライブ配信と見逃し配信の両方が可能。深夜試合はスマートフォンでの見逃し視聴が現実的だ。バルセロナ対アスレティックの8月27日21:00キックオフは日本時間8月28日朝4:00、レアル・マドリード対レアル・ソシエダの8月26日21:00キックオフは日本時間8月27日朝4:00、いずれも早朝視聴となる。
スペイン現地観戦を考えている日本の読者は、①ベルナベウ、カンプ・ノウ(改修中の場合はモンジュイック代替)、メトロポリターノなど本拠地チケットは公式サイトかクラブ会員経由で入手、②転売サイトはトラブルの温床、避けるべき、③試合当日は宿泊先を試合会場近くにし、深夜のタクシー・地下鉄混雑を回避、④スタジアム内での日本語音声ガイドは提供されていないので、事前に選手名と背番号を把握しておく、が実用的なアドバイスだ。本紙は今シーズン中、久保建英の主要試合と主要リーガ動向を継続追跡していく。













