「民主的記憶」を巡る議論

スペインの文化雑誌ABCは、近年国内で大きな議論を呼んでいる「民主的記憶(Memoria Democrática)」というテーマを深掘りしています。この概念は、過去の歴史、特にフランコ独裁政権時代とその後の民主化過程における出来事を、国家がどのように記憶し、語り継ぐべきかという問題に関わります。記事では、この「民主的記憶」の構築が、一部では「単一の記憶の強制」となり、自由や民主主義そのものを脅かす危険性があると指摘しています。 Jordi Canal、Pedro Corral、Jesús García Caleroといった論客が、歴史の解釈と政治的利用の境界線について論じています。

文学・美術・音楽の最新動向

同誌では、文学の新刊情報も充実しています。Ricardo Menéndez Salmónの野心作『Arca』、David Roasの短編集『Territorios』、Mario Vargas Llosaの執筆背景を描いたGustavo Faverónの『Madame Vargas Llosa』などが紹介されています。また、Paul Austerの死後、妻Siri Hustvedtが綴る追悼の書『Historias de fantasmas』や、オリーブオイルの歴史を紐解く『Un mar de oro verde』といったエッセイも注目です。

美術界からは、カタルーニャのアーティスト、Aurèlia Muñozの回顧展が、生誕100周年を記念して開催されていることが報じられています。また、テキスタイルとフェミニズムを結びつけるMaría Carbonellの作品や、素材を通して声なき人々の歴史を紡ぐKapwani Kiwangaの展示も取り上げられています。

ギジェ・ガルバン氏、ソロ活動へ

音楽のセクションでは、スペインの人気バンド「Vetusta Morla」のギタリスト兼作曲家であるギジェ・ガルバン氏に焦点を当てています。彼は『Nadie con este nombre vive aquí』と題されたソロアルバムで、自身のスタジオで家族や思い出に囲まれながら制作したという、親密でパーソナルな世界を披露しています。

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