ガウディ没後100年、東洋と西洋が出会う連続コンサート

2026年は、建築家アントニ・ガウディの没後100年にあたる節目の年だ。ガウディは1926年6月10日にこの世を去り、未完の大聖堂サグラダ・ファミリアをはじめとする作品群は、1世紀を経た今もバルセロナの街とともに生き続けている。この記念年に合わせ、バルセロナでは「Serie Japonesa(日本シリーズ)」と題した連続コンサート企画が開かれている。東洋と西洋、日本とカタルーニャの音楽的対話をテーマに、3つの異なる楽器による3夜の公演で構成されるプログラムだ。

3つのコンサート、3つの音世界

「Serie Japonesa」は、それぞれ独立した3夜の公演からなる。

  • 5月2日 17:30 ─ ピアノ:Hisako Hiseki(ヒセキ・ヒサコ)。日本人作曲家と西洋の巨匠たちの作品を並べ、バッハから坂本龍一までを一夜で旅する構成。ヒセキ自身が手がけた組曲「Japanese Norito(日本の祝詞)」では、神道の古い祈りの言葉が音楽へと変換される。
  • 5月15日 21:00 ─ オルガン:Izumi Kando(カンドウ・イズミ)。フランス・オルガン楽派の様式から、日本の童歌「かごめかごめ」による変奏まで。神聖な響きと日本の旋律を、一台のオルガンでヨーロッパとアジアを横断するように奏でる。カンドウはバルセロナを拠点に活動するオルガニストだ。
  • 5月29日 21:30 ─ ヴィオラ:Alejandro Garrido Porras(アレハンドロ・ガリード・ポラス)。バッハの無伴奏組曲を軸に、ヒンデミット、レーガー、テレマン、そして日本人・カタルーニャ双方の作曲家の作品を織り交ぜる。伝統と現代、聖なるものと瞑想的なものを行き来するプログラム。

参加はドネーション(寄付)制で、15ユーロからとなっている。5月2日のピアノ公演はすでに終了しているが、5月15日のオルガン公演、5月29日のヴィオラ公演はこれから開かれる。

日本の読者への解説

ガウディ没後100年という機会に、スペイン側の記念企画の一つとして「日本」をテーマにした音楽シリーズが組まれている点は興味深い。サグラダ・ファミリアの彫刻に日本人彫刻家・外尾悦郎氏が長年携わってきたことでも知られるように、ガウディとその大聖堂はもともと日本と縁の深い存在だ。神道の祝詞や「かごめかごめ」といった日本の精神文化・伝統音楽が、バッハやフランス・オルガン楽派といった西洋クラシックの文脈の中で演奏されることは、単なる「異国情緒」ではなく、聖なるものをめぐる東西の感性を重ね合わせる試みと言える。バルセロナ在住の日本人にとっては地元で日本文化に触れられる機会であり、旅行で訪れる人にとっても、観光名所をめぐるのとは違った角度からこの街の文化的な厚みを感じられる催しになりそうだ。

公演の会場・チケット(ドネーション)など最新の詳細は、下記の公式イベントページで確認できる。

▶ 公式イベントページ:Serie Japonesa Centenario de Gaudí 2026(Plann.fun)

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