スペイン カタルーニャ州独立運動を扇動した元政治家らへ恩赦 執行猶予付きへ 「スペイン人のために、カタルーニャ州市民のために、我々の子供たちのために、全ての社会のために、未来のために、合意に至る道筋は険しいが、挑戦する価値はある。」サンチェス首相

ペドロ・サンチェス首相は22日、閣僚会議を開き、2017年に発生したカタルーニャ州独立運動を扇動した元政治家らへの恩赦を決定したことを明らかにした。

これにより、2017年のカタルーニャ州独立を問う「違法な」住民投票実施及び一方的な独立宣言『のようなもの』(実際していない)に関する元政治家や活動家らへの恩赦が決定、刑事罰を受けた12人のうち、現在も収監されている9人が保釈され3~6年の執行猶予が付いた。 また、保釈されたが、今後も公職に就くことは禁止されるとのこと。 

分かっている恩赦の内容は以下の通り。

オリオル・ジュンケラス被告 元カタルーニャ共和主義左翼(ERC)党首、元州政府副知事 扇動・公的資金横領の罪
刑期 13年 残り9年4か月 → 恩赦 執行猶予6年

ラウル・ロメバ 元州政府外相 扇動・公的資金横領の罪
刑期 12年 残り8年9か月 → 恩赦 執行猶予4年
ジョルディ・トゥルイ 元州政府報道官 扇動・公的資金横領の罪
刑期 12年 残り8年9か月 → 恩赦 執行猶予6年
ドロールス・バッサ 元州政府労働・社会家族問題大臣 扇動・公的資金横領の罪
刑期 12年 残り8年9か月 → 恩赦 執行猶予3年

カルメン・フォルカディ 元州政府議会議長(憲法裁判所から停止命令を受けていた独立推進法や独立を念頭とした住民投票法等を議題に上げることを承認し、議会投票を受けて承認した。) 扇動の罪
刑期 11年6か月 残り8年3か月 → 恩赦 執行猶予4年

ジョセップ・ルイ 元州政府前領土相 扇動の罪
刑期 10年6か月 残り7年3か月 → 恩赦 執行猶予6年

ホアキン・フォルン 元州政府内務大臣 扇動の罪
刑期 10年6か月 残り6年10か月 → 恩赦 執行猶予6年

ジョルディ・サンチェス 独立推進民間組織カタルーニャ国民会議(ANC)元会長JxCAT議員 扇動の罪
刑期 9年 残り5年4か月 → 恩赦 執行猶予5年

ジョルディ・クシャ(Cuixart) 独立推進民間組織Omnium元会長 扇動の罪
刑期 9年 残り5年4か月 → 恩赦 執行猶予5年

この他、メリチェイ・ボラス(元州政府官僚)、カルラス・ムンド(元州政府官僚)、サンティ・ビラ(元州政府官僚)らは、1年8か月の刑期と罰金をすでに支払い、刑期を満了している為今回の恩赦の対象から外れる。

一方、ベルギー、スイスなどに逃亡しているカルラス・プッチダモン被告等の元政治家ら5人は、スペイン国内にて裁判を行っていないため、今回の恩赦の対象外となる。

2017年のカタルーニャ州の独立を問う違法な住民投票実施や、一方的な独立宣言(のようなもの)等に伴う一連の独立運動で、これら政治家、活動家らは市民を扇動し、違法に独立のための政治機関を設立し、公的資金を横領したとして刑事罰が下っていた。(独立後の司法機関や法律の草案、諜報機関などの水面下での準備、独立を推進するための対外機関として海外に「カタルーニャ州政府大使館」等の設置等) 反乱罪にならなかったのは十分な暴力行為が無かったため、憲法に違反していないと最高裁が判断したため。

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