スペイン コロナウイルス 182億ユーロの財政出動を決定

スペイン中央政府ペドロ・サンチェス首相は12日、スペインで感染拡大する中国武漢市発祥新型コロナウイルスによる経済損失を軽減するため、総額182億2500万ユーロ(約2兆1千億円)の財政出動を決定した。

これは、納税を6か月間無利息で延長する事も含まれており、中小企業および自営業者への支払い140億ユーロ、観光業へのクレジット4億ユーロのほか、各自治州に合計28億ユーロが支払われることが盛り込まれている。

ペドロ・サンチェス首相は12日、記者を入れずに記者会見を開き、ビデオ会議システムを利用し質問を受け付けた。 

会見の中でサンチェス首相は、「我々はこの災害の被害を最小限にして乗り越えなければならない。」と語り、コロナウイルス感染拡大によるイベントやそれに付随する発注等の中止、延期により、多くの中小企業、自営業者が被害を被っていると指摘。 中小企業、自営業者らの納税期間を6か月間無利息で延長することにより、140億ユーロの財政出動を行い経済下支えを狙う。

これにより、中小企業、自営業者らは、3万ユーロまで6か月間無利子で納税を延長でき、また3回に分けて納税することができるようになる。

また、労働者に対しては、自宅待機を余儀なくされている場合、給料が引かれることが無くなり、テレワークなど柔軟に就業できるようにする。

観光業に関して、4億ユーロの財政出動を決定。 中央政府産業省などから融資を受けられるようにするほか、2月から6月の間の一定の従業員の国民保健の控除額が大きくなる。

航空会社に関しては、欧州内で運行するための最低運行数を割ってもライセンスのはく奪を行わないことを決定した。(しかしこれは、欧州連合の承認が必要)

スペイン国鉄に関しては、来週月曜日3月16日から、切符の払い戻しが可能となる。

各自治州政府への税制出動は28億ユーロで、各自治州の医療機関に支払われるほか、中央政府臨時予算からも10億ユーロが、中央政府保健省の名目で各自治州政府に配られる。

加えて、現在国内市場で取引されている医療器具、医療品に関し、上限価格を設定する。 これは、定価50ユーロのコロナウイルス感染検査キットが、病院や研究所などで300ユーロ等で取引されていた問題があったため。

各家庭に対する財政出動は、2500万ユーロ。 これで各自治州のソーシャルワーカーの拡充や、学校閉鎖により影響を受けた給食を食べられるようにする。

サンチェス首相は以上のような決定は、最終的なものではなく、必要であれば順次政策を打ち出していくとしており、マドリード州の閉鎖も「『状況の推移によっては』閉鎖しないとは限らない」と語っている。

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