英雄なき時代
現代は「信仰に忠実でない時代」であり、英雄、神々、宗教、そしてほとんどあらゆる種類の信仰を拒絶する傾向にあります。疑い、懐疑的になり、理由なく、あるいは理由があって否定することが流行しています。エピック(叙事詩的な物語)の時代は終わったと言われ、誰かが頭角を現せばすぐに叩かれる。皆が平等であるべきですが、それは「低い方」で平等であるべきだ、という風潮です。教育、そして社会全体がこの状況を反映しています。
しかし、著者は、世界が爆発寸前である今こそ、我々は揺るぎない「参照点」をかつてないほど必要としていると主張します。もちろん、ゼウス、アフロディーテ、マルス、テティスといった古代の神々の神話がそのまま通用するわけではありません。彼らが生きた世界は、現代とは全く異なる論理で動いていました。
日本の読者への解説
日本にも、八百万の神々や、歴史上の偉人、あるいはアニメや漫画に登場するキャラクターなど、様々な形での「神話」や「英雄」が存在します。しかし、グローバル化と情報化が進む現代において、これらの「参照点」が持つ意味合いは変化しています。西洋的な個人主義や懐疑主義とは異なる文脈で、日本社会がどのように「物語」や「象徴」を必要としているのか、そしてそれがどのように現代社会の課題と結びついているのかを考える上で、この記事は示唆に富んでいます。





