マッツ・エクの革新的な解釈

スペイン国立劇場(Teatro Real)で、スウェーデン王立バレエ団がマッツ・エク振付による「ジュリエッタとロメオ」を上演します。1773年創立という世界有数の歴史を持つ同バレエ団と、現代ダンス界の巨匠エクとの共演は注目を集めています。エクは、この古典悲劇の核心を、ジュリエッタが望まない結婚を家族から強制される状況に見出しています。

タイトルと音楽の変更

エクが作品のタイトルを「ロメオとジュリエッタ」ではなく「ジュリエッタとロメオ」としたのは、物語の悲劇性がジュリエッタの家族との関係、特に父親による強制結婚の試みに起因すると考えたためです。また、シェイクスピアの原作もイタリアの物語「ジュリエッタとロメオ」にインスパイアされていることを指摘しています。音楽にはプロコフィエフの有名な楽曲ではなく、チャイコフスキーの作品から抜粋・再構成したものが使用されています。エクは、プロコフィエフの音楽は自身の身体に染みつきすぎていたため、新たな音楽的アプローチを求めたと説明しています。

日本の読者への解説

日本のバレエファンにとって、マッツ・エクの名前は「ジゼル」や「白鳥の湖」といった古典バレエの斬新な再解釈で知られています。彼の「ジュリエッタとロメオ」は、単なる悲恋物語ではなく、家族制度や個人の意思といった現代にも通じるテーマを掘り下げています。また、バレエ団の古典的なテクニックとエクの現代的な振付がどのように融合するのか、そして音楽の選択が物語にどう影響を与えるのかも、鑑賞のポイントとなるでしょう。エク自身、古典と現代の境界が曖昧になっているダンス界の現状を肯定的に捉えており、今回の公演はその象徴とも言えます。

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