クルーズ船の航跡と感染拡大
3月20日に南米ティエラ・デル・フエゴを出港したクルーズ船「MV Hondius」で、ハンタウイルスの集団発生が確認されました。4月1日にアルゼンチンのウシュアイアを出港後、乗客の一人が4月6日に発熱などの症状を訴え、4月11日に船内で死亡しました。その後も感染は広がり、4月26日には南アフリカで別の乗客が死亡、5月2日には船内でさらに一人が死亡しました。船は5月3日にカボ・ベルデに到着し、現在停泊中です。
WHOの介入とスペインへの寄港
世界保健機関(WHO)は、船内の乗客・乗員約140名の健康状態を考慮し、スペイン政府に対しカナリア諸島での寄港を正式に要請しました。これを受け、スペインは人道的な観点から寄港を承認。船は現在、カナリア諸島への到着を待っています。船内で確認された感染者は8名に上り、うち3名が死亡しています。WHOは世界的な感染リスクは低いと評価していますが、厳重な監視が続けられています。
日本の読者への解説
ハンタウイルスは主にげっ歯類を介して感染するウイルスで、飛沫感染や接触感染により人間にうつります。潜伏期間は数日から数週間で、発熱や頭痛、筋肉痛などのインフルエンザ様症状から始まり、重症化すると呼吸器症状や腎症状を引き起こすことがあります。今回のケースは、密閉空間であるクルーズ船内で感染が拡大した事例として注目されます。日本国内では、ハンタウイルスによる感染症の発生は稀ですが、海外渡航時には注意が必要です。




