スペイン 警戒体制解除 多くの自治州で夜間外出禁止令および移動制限が解除 ポスト新型コロナウイルスパンデミアへ

2020年3月14日に発令された警戒体制(Estado de alarma)が2021年5月9日0時に解除された。

スペイン国内の非常事態に対し、市民の移動などの基本的権利(derecho fundamental)を制限することができる法律はスペイン国憲法116条に定められており、その種類はEstados de alarma(警戒体制)、Estados de excepción(非常事態)、Estados de sitio(戒厳令)の三種類。 今回発令されたのはその中でも一番軽い警戒体制。 一方、厳戒令が発令された場合は国の運営は軍部に委譲されることになる。

今回発令された警戒体制は、憲法の規定により発令されてから2週間ごとにその延長を国会で決定する必要があったが、特例措置として延長決定を6か月に定めていたため、実質的な延長は2回行われた。 従って、最後の警戒体制は2020年11月3日に延長が発令されたもの。 これにより2021年5月9日0時よりその効力を失い、移動制限、夜間外出禁止令などが解除される。

しかしながら、国内の4つの自治州で引き続き夜間外出禁止令を延長することを決定しており、その法的根拠を各自治州高等裁判所が請け負うことになる。

その4つの自治州はバレンシア州、ナバーラ州、バレアレス州、カナリアス州。 各自治州の夜間外出禁止令時間は以下の通り。

バレンシア州
0時~6時

ナバーラ州
23時~6時

バレアレス州
23時~6時

カナリアス州
23時~6時

この他バスク州も夜間外出禁止令の延長を求めていたが、バスク州高等裁判所が法的根拠が無いとしてこれを棄却。 現在のところ夜間外出禁止令は解除される。

また、国内の移動も全面的に自由となるが、バレアレス州への移動はPCR検査陰性証明書が必要となるほか、マドリッド州、アンダルシア州、アラゴン州の一部地域で移動制限が継続される。  更に、感染者拡大が進んだ場合、各自治州政府は移動制限を設けることができるが、各自治州高等裁判所への許可が必要となる。

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