スペイン 警戒事態発令中  道交法改正草案が決定 電動キックボード製造証明書携帯義務等 来年1月2日から施行 主な変更点は?

スペイン中央政府は11月10日、道路交通法を一部改正する暫定草案を発表し、来年1月2日から施行する予定であることを決定した。 その中には電動キックボード等を使用する際、製造者から発効される証明書の携帯が義務化されるなど、重要な変更点が盛り込まれている。 

これは、欧州連合および世界保健機関(WHO)が示す新交通安全基準を準拠し、今後10年間で交通死亡事故を50%削減することを目的としたもの。 予定されている主な変更点は以下の通り。

携帯電話を手に”持っている”状態での運転に対して、現在の違反点3ポイントから6ポイントに引上げ。 現行では携帯電話を”使用”しての運転であるが、草案では”持っている”状態に変更。 これにより、ドローンを含む交通規制カメラで撮影された際、持っているが使用していないという言い訳により罰則を逃れることが出来なくなる。

シートベルト、チャイルドシート、ヘルメット、そのほか乗員を保護する装置の不正使用を3ポイントから4ポイントに引き上げる。 これにより、シートベルトを緩くした状態に保つ装置や、ヘルメットの紐をつけていないなどが発覚した場合、この罰則が適用される。

ネズミ捕り発見機などの交通規制用レーダー発見機を”搭載”していた場合、200ユーロの罰金および3ポイントが減点される。  これは、レーダー発見機を”使用”していた場合から”搭載”していた場合に変更することにより、取り締まり時に該当機材の電源を落として”使用していない”と言い訳が出来ないようにするため。

追い越す場合、制限速度の20キロを超えてもよいという条項を撤廃。 これにより、追い越し車線が無い高速道路などで、バイクや車はトラックやバスなどを追い越すことが出来なくなる(もしくは非常に難しくなる。)これは、他の欧州地域ですでに実施されている。

スペイン交通局の実施する安全運転講習を受けることにより、2ポイントを補完することができる。

運転免許技能試験に許可されていない通信デバイスを使用し、カンニングなどの行為を行った場合、500ユーロの罰金と、6か月間の再試験禁止令が下される。

輸送会社やそれに関連する企業にはオンラインで運転手の免許証が有効期限内であるかどうか、赤(無免許)と緑(免許あり)という情報のみ知ることが可能となる。

市内の速度制限に関して、歩道と車道の境目が明確ではない道路では、最高時速が20キロメートル、一方通行で一車線の道路では30キロメートル、幹線道路や複数の車線がある道路では現行通り50キロメートル。 

一人乗りの電気モーター駆動で、車輪が1つ以上あり、時速6キロ~25キロの車両は、個人移動車両と規定する。 これにより、電動キックボードなどは自転車と同じように扱われるため、歩道やトンネル、交差点、高速道路などの使用が禁止される。 また、使用する電気モーター駆動車両に関する製造者による証明書の携帯が義務化される予定で、交通局は現在国内で使用できる一人乗り電気駆動車両に関する技術的要件を策定中。 取り締まる警察などは、その(電動キックボードなどの)車両が最高時速以上出ないことを確認することができるようになる。 ただ、この件に関する取り締まりは24か月、つまり2022年終わりまでは実施されない予定(と報道されている)。(また、電動キックボードに乗るために免許が必要になるということではなく、いままでその性格があいまいだったものを、中央政府が自転車と同じような乗り物であると規定したところが新たな変更点。)