カタルーニャの日「ディアダ」約40万人が独立を訴えデモ行進

カタルーニャ国民会議(ANC)の発表によると、9月11日16時の時点で約40万人のカタルーニャ州市民が独立を訴えデモ行進を行っていると発表した。

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もともと9月11日は1714年にスペイン帝国によってカタルーニャ国の首都バルセロナが陥落した日を記念日にしたもの。 独裁政権時にはカタルーニャ語禁止令のほか、ディアダを祝うことも禁止されたが、フランコ死亡後の民主政権移行時、1980年にカタルーニャ州政府により、この記念日が再度公式に祝日と制定された。

この独立デモを主催するカタルーニャ州の独立を推進するNGO団体カタルーニャ国民会議ANCおよびOmunium、自治体独立委員会(AMI)は、道端で独立を問う住民投票:通称1-O(スペイン語で10月はoctubre。 その頭文字をとって「O」そして日にちの「1」を合わせて 「1-O」)で「賛成(sí)」を投票するよう呼びかけるためのTシャツやうちわ、バックなどを販売しており、それらセット価格で15ユーロ、そのうち6ユーロは1-O実現のために使われ、0.4ユーロは同組織の利益となることが公にされている。 また、独立を推進するために広く住民に寄付を募っている。

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ANCの資金の流れは完全に不透明で、会計報告は年次報告会議内で行われ、2016年では50万ユーロの利益があったことのみ報告があった。 また、2015年に税務署は同組織がマーチャンダイジングに課税された付加価値税17万6850ユーロの未払いを指摘、支払い命令を行っていた。

ANCは現州議長で、不服従の容疑がかかっているカルメ・フォルカデイが2015年まで委員長を務めていた。

また、1-Oに関して日本のすべてのメディアではカタルーニャ州議会が独立を問う住民投票実施法可決と発表しているが、正解は、、、

州独立を推進する法案を2016年フォルカデイ議長が「独立プロセス開始法案」を賛成多数で可決したのを受け、それを議長として「承認」したために、憲法裁判所から不服従として違憲判断、カタルーニャ州の独立に関するいかなる行為も行ってはいけないと命令。 カタルーニャ高等裁判所が刑事責任の有無を判断するため書類送検。

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9月6日独立を問う住民投票実施法案を審議する議会開廷数分前に憲法裁判所に対し、不公平であるとして再審を要求。 これにより、上記の「いかなる行為も行ってはいけない」縛りから一時開放され、その間に州議会で「独立を問う住民投票実施法案」と「カタルーニャ共和国基礎法」を可決・承認。

これに対し再度憲法裁判所は違憲であると通告。 政府官報を通して正式に違憲であると通告。(勘違いしている(スペイン人も含めて)人が多いのが、住民投票の実施を憲法が認めていると思っていること。 中央政府は一瞬たりとも合法と認めていないので注意。 一連の法案などは、州議会が勝手に可決していることで、独立を推進するすべての法案に関して違憲判断を出している。)

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プッチダモン州知事は「独立を問う住民投票実施法案」通過に際し、州内の各自治体らに投票箱の設置を求める書簡を送付。 しかし、バルセロナやホスピタレットなどの人口の多い都市では、「公務員を守る」という理由で、これを拒否。 憲法裁判所はいかなる行為も「違憲」であるとしていることから、公共施設を投票所に開放した公務員は刑事罰を受けることになると通告されているため。

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バルセロナのアダ・コラウ市長は11日、サンタ・コロマの集会に出席し、「投票所を開放しないのはマリアノ・ラホイ首相が言ったからではない。 市役所はみんなのものだ。 マリアノ・ラホイは臆病者だ。 市民の意見(独立賛成かどうかの意見)を聞こうとしない。」などと発言し、住民投票実施に賛成ながらも、それ自体は違法であると認識している。

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バルセロナ市が参加しなくなったことで1-Oの重要性は非常に低下したと言わざる負えない。 この投票で「勝手に」カタルーニャ州市民が独立すると言っても、説得力は非常に低くなっている。 また、ディアダを独立を訴える日に変えてしまったANCであるが、カタルーニャ広場で独立を推進するメッセージなどを大きなディスプレイで垂れ流していた。

ANCに広場の使用許可を出したのは紛れもなくバルセロナ市であり、また、ANCはこの大規模な集会(裏では多くの機材やひな壇がレンタルされている)のオーディオ・ビジュアルを担当しているのはEIKONOSというカタルーニャ州の企業である。 グアルディア・シビル警察からの家宅捜索を受けることになるのではないだろうか。

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