2022年2月に国会で成立した新動物保護福祉法が本日から発効され、スペイン国内における約1300万人のペットの飼い主が行う行動の一部が新法で禁止され罰金対象となる。 その主な内容は以下の通り。
・犬の無責任な繁殖
新法は犬の避妊を義務化していないが「繁殖を防ぐための措置を講じることは必要であるが、手術的なものである必要はない。」とされている。 これは、飼い主は避妊手術を施す必要はないが、飼い主がブリーダー登録されていない場合の犬の繁殖には、5万から20万ユーロの罰金が科せられる。 つまり、動物売買のブラックマーケット撲滅に寄与することを目的とされている。
・店の外で犬をつなぐ
伝統的に店の外にペット用のリード固定金具が設置されていたとしても、本日からそこにしばりつけることは、軽微な違反とみなされ、500ユーロから1万ユーロの罰金が科せられる。 すでに10月2日Vigoの薬局で、これに違反し500ユーロの罰金が科せられている。
・家に一人きりでいること
犬を24時間連続して監視無しで家に放置することは、500ユーロから1万ユーロの罰金になる可能性がある。 また、その他のペットも3日以上連続して放置すると同様の罰金となる。 さらに、ペットをテラス、バルコニー、屋上、地下、パティオ、車に放置することは重大な違反であるとみなされ1万から5万ユーロの罰金が科せられる。 これは、気温が上昇し、日陰などに避難できなくなって死亡したケースなどがあったため。 ただし、猟犬、家畜、他の専門的な用途の動物(サーカス以外)はこの法律の対象外。
・犬に暴力をふるうこと
犬が何をしたか、またはどこであろうと、動物に暴力をふるうことは許されていない。ペットを訓練するための攻撃的または暴力的な方法、食事を制限すること、電気ショックカラー、パルスカラー、絞首のカラーを使用することは明示的に禁止されており、1万1ユーロから5万ユーロの罰金が科される。
・動物を捨てる
この法律では、ペットを自然界、公共の場所、野良猫のコロニーに放すこと、獣医、美容院、犬舎から迎えに行かないこと、猫または犬にチップを取り付けないこと、紛失または盗難を報告しないことが重大な違反とされ、1万ユーロから5万ユーロの罰金が科せられる。
・ペットの安楽死
経済的な理由で動物を殺すことはできない。 これは、動物保護施設などで行われることが多い。 また、高齢で病気になったり、交通事故等での治療費が嵩むことを避け、苦しむならばと安楽死を選択するときも多くあるとのこと。これは最も重大な違反で、最高20万ユーロの罰金が課されるほか、許可なくペットの安楽死を行うことは「適切な資格がない」と判断された場合には最大24か月の刑務所の刑も課される可能性がある。
・野良猫を毒殺すること
野良猫、コミュニティキャットとして定義されるものを殺すことは最大20万ユーロの罰金と最大24か月の刑を科すことができる。
・特定の種の飼育を隠すこと
2024年3月29日までに、家にクモ、サソリ、ピラニア、フグ、毒蛇(コーラルスネーク、コモドドラゴン、ガラガラヘビ)、2キロ以上の爬虫類、5キロ以上の野生の霊長類や哺乳動物がいることを申告しないことは軽微な違反となる。
