スペイン中央政府は2日、官報(BOE)を発行し商店、公共交通機関、公共施設、ビル等のクーラーの設定温度を27℃以上に設定する規制を発令した。
これは、欧州議会が加盟国に課したエネルギー消費削減要請を受けてのもの。
主な規制は以下の通り
夏期間クーラーの設定温度は27℃以上
冬期間暖房の設定温度は19℃以下
22時以降、ショーウィンドウの消灯等、利用していない場所の電気を消灯
対象施設は主に
バス、電車、空港などの公共交通機関
博物館、図書館などの文化施設、ホテル、映画館、劇場、大型商店
更に、空調設備を利用している場合、出入口を開放することができなくなるため、9月30日までに自動ドアなどの設置が義務付けられる。(フランスでは既に規制されている)
以上の規制は来年2023年11月まで規制される。
環境移行・人口問題テレサ・リベラ大臣は記者会見で「現在状況はひっ迫しており、いつロシアがガスの供給を止めるかわからない。」と発言。
また、この規制に対し首都マドリードのあるマドリード州イサベル・ディアス・アユソ知事は、「マドリードは22時以降も(ショーウィンドウを)消灯しない。 今回の措置は治安悪化を招き、旅行者と消費者を不安にさせるものだ。」と、中央政府の規制に反対姿勢を示している。
これに対し、リベラ閣僚評議会議長は「規制を監視するのは各州政府に任されているが、規制を守らなければ罰則は当然課す。」と発言している。
スペインは西サハラ問題でモロッコ王国の主張を支持したため、天然ガスの輸入先であったアルジェリアからの供給が減少したが、その前にアメリカ合衆国から多くのガスを買い付けていた