1-O スペイン最高裁 独立派政治家らへの判決文が流出 カタルーニャ州各地で抗議デモ

スペイン憲法裁判所の凍結命令を無視し2017年10月1日に強行されたカタルーニャ州の独立を問う違法な住民投票に関与していた前州政府閣僚らに対するスペイン最高裁判所の判決文が流出、同州内各地で抗議デモが発生した。

最高裁判所の各判事による署名がされた判決文は明日15日に中央政府官報で発出される予定であったが14日に流出、独立派市民による抗議デモが各地で発生した。

最高裁による判決は以下の通り

オリオル・ジュンケラス前州副首相

騒乱罪・公的資金横領罪

禁固13年

13年間の政治活動停止処分

ジョルディ・トゥルイ前州官房長官

騒乱罪・公的資金横領

禁錮12年

12年間の政治活動停止処分

ラウル・ロメバ前州外務大臣(憲法裁判所により、中央政府以外の自治州政府が外務省機関を持つことは違憲と判断されている)

騒乱罪・公的資金横領

禁錮12年

12年間の政治活動停止処分

ドロールス・バッサ前州労働大臣

騒乱罪・公的資金横領

禁錮12年

12年間の政治活動停止処分

カルメン・フォルカデイ前州議会議長

騒乱罪

禁錮11年6か月

11年6か月の政治活動停止処分

ホアキン・フォルン前州内務大臣

騒乱罪

禁錮10年6か月

11年6か月の政治活動停止処分

ジョセップ・ルイ前州領土・持続可能大臣

騒乱罪

禁錮10年6か月

10年6か月の政治活動停止処分

ジョルディ・サンチェス前カタルーニャ国民会議会長(独立推進市民団体ANC)

騒乱罪

禁錮9年

9年の政治活動停止処分

ジョルディ・クイシャルト前オムニウム・クルトゥラル会長(独立推進民間組織)

騒乱罪

禁錮9年

9年の政治活動停止処分

カルラス・ムンド前州司法長

不服従罪

一日200ユーロの罰金を10か月間

1年8か月の政治活動停止処分

メリチェイ・ボラス前州政府官房長官

不服従罪

一日200ユーロの罰金を10か月間

1年8か月の政治活動停止処分

サンティアゴ・ビラ前州労働・経済大臣

不服従罪

一日200ユーロの罰金を10か月間

1年8か月の政治活動停止処分

今回の判決では、十分な暴力行為がなかったとして、検察側が求刑していた反乱罪は適用されず、半分の禁錮刑となった。 これは、昨年4月にカルラ・プッチダモン被告がドイツのシュレースヴィヒ・ホルシュタイン州で身柄を拘束されたとき、ドイツの同州地方裁判所が十分な暴力行為がなかったとして、同氏を公的資金横領の容疑のみで欧州逮捕状請求により、スペインに身柄を移送することを決定したことを思い起こさせる。 (ドイツ地方裁判所のこの決定後、スペインは同氏を反乱罪で裁判を行いたいがため、欧州逮捕状を破棄していた。)

流出した判決文に対し、カタルーニャ州の独立賛成派会派らは「カタルーニャはこのような(中央政府の)暴挙にいつも外に出て抗議し、選挙で戦ってきた。 11月を見ていろ。」(11月に出戻り総選挙がある。)「表現の自由や思想の自由を侵害された。」などと発言。 また反対派会派は「司法の判断を尊重する。」と語っている。

独立を問う違法な住民投票に関しては、憲法裁判所の凍結命令(停止命令)を無視して強行した。 この際、投票システム、ホームページ制作、海外のオブザーバー招聘、投票用アプリ、投票所として公的機関の使用などに公的資金が使用されたほか、ドイツの企業を利用してカタルーニャ版諜報機関創設なども秘密裏に(予算案に明記されていなかった)進んでいたほか、外国にカタルーニャ州大使館も開館していた。(中央政府以外の外務機関を持つのは違憲と判断され、憲法155条発動により閉館された。 しかし、現州政府は再度各国税金を使って開館している。)

現在州都バルセロナでは多くの独立派市民が抗議デモを行っており、スペイン広場周辺、カタルーニャ広場などに多くの人が集まり、大動脈であるディアゴナル大通りをはじめ、各幹線道路が封鎖されているため流通も混乱、あるラーメンダイニング遊店では材料が届かないため商品が提供できない可能性があると嘆いている。

また、先週土曜日からサンツ駅の警備が厳重になっており、乗車券がなければ構内にアクセスできない可能性があるため、同駅を利用する人は注意が必要。

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