8月17日に行われるバルセロナ・カンブリルス多発テロ1周年記念式典で、ジョセップ・ルイス・トラペロ前自治州警察長官は11日、自身の肖像を宣伝材料として使用しないよう要請したことが分かった。
カタルーニャ州独立機運が冷めない中、スペイン国王が出席する一周年記念式典が17日に行われる。 独立派らは国王出席に対し反発をしているものの、独立推進民間組織ANCやオムニウム・クルトゥラルはこの出席に関し反対運動を行わないと公式見解を発表。
8月17日午前から行われる予定の記念式典後、ANCとオムニウム・クルトゥラルは現在独立を推進したとして現在勾留中のホアキン・フォルン前州内務大臣被告人とジョセップ・ルイス・トラペロ前自治州警察長官被告人に対し、カタルーニャ州住民を守ってくれたということで表彰式を行う予定。
8月17日の同時テロ以降、モススダエスクアドロ自治州警察はカタルーニャ州のヒーローとなり、その迅速な対応を称賛され、当時警官らに住民らが拍手を送るという映像がよく流れていた。
一方、昨日モススダエスクアドロ自治州警察が発表したところによると、タラゴナ県アルカナル市にあるテログループのアジトで爆弾製造時に取扱いを間違い爆発した際、テロの中心人物とされているリポイ市のイマンであるエス・サッティ容疑者に関する犯罪履歴を、全国管区裁判所に事件発生後4日経ってから報告したのは「間違い」だったとしている。
(因みに事件発生後、日本の報道関係者に対し筆者は今後カタルーニャ州の独立機運が加速すると予想していた。)
ただ、街のヒーローとなったモススダエスクアドロ自治州警察ではあったが、このアルカナルのアジトが1回目に爆発した際、中央政府治安警察(グアルディア・シビル)の爆弾処理班の現地捜査を拒否している。 そして、アジトの瓦礫を撤去していた自治州警察は、地下に隠されていたガスボンベに誤って引火させてしまい、2回目の爆発を起こしている。 これにより警官2人が怪我を負った。 (歴史にもしもはないが、もしもこの時にテロを仄めかす証拠などが発見できていれば、テロは防げたかもしれない。)
このほか、自治州警察と中央政府国家警察(ポリシアナショナル)・治安警察(グアルディア・シビル)との捜査連携がうまくいかず、スペイン内務省は治安警察に捜査本部を設置し、3部隊の統率正常化を図った。
更に昨年10月26日、モススがバルセロナ市ベソス地区にある押収品などを処理する施設に古い証拠品などを搬入する際、直前に国家警察によりとめられ、文章などの積荷を押収。 その中には、米国諜報機関からバルセロナでテロが発生する危険性があるという2017年の文書も存在していた。