スペイン 夜間外出禁止令発令中 スペインで可決された安楽死および自殺ほう助法(ley de eutanasia y suicidio asistido)とは?

スペイン中央政府下院議会は18日、賛成202票、反対141票、棄権2票で安楽死法案(Ley de eutanasia)を可決した。 発効は約3か月後。 その主な内容は以下の通り。

1.どのような規則なのか?

 可決した法案では、以下のように定義されている。 「能動的な安楽死とは、慢性的で深刻な不治の病により、耐えがたい苦痛を引き起こしている場合に担当医療専門家が患者の要望により生命を恋に終わらせるという行動である。」(“Eutanasia activa es la acción por la que un profesional sanitario pone fin a la vida de un paciente de manera deliberada y a petición de este, cuando se produce dentro de un contexto eutanásico por causa de padecimiento grave, crónico e imposibilitante o enfermedad grave e incurable, causantes de un sufrimiento intolerable”) この文には自殺ほう助(suicidio asistido)という言葉は使われていないが、医療専門家による患者への直接的な物質の処方、投与などが明示されている為、文脈的から自殺ほう助の意味も含んでいる。

2.誰が申請することができるのか?

 申請することができるのは、・スペイン国籍を保有している。もしくは・スペインで合法的な居住許可を保有している。もしくは・スペインで12か月以上合法的に居住している者。 さらに、成人しており、申請時にその内容を理解、認識している者。 また、申請時に意識的な要件を満たしていない場合、法的に認められた文書等に署名していた場合はそれが適用され申請することができる。 この時代理人に指名された人が担当する医療専門家と話し合いを進めていくことになるが、法定代理人を任命していない場合は、担当医師が安楽死の申請を行うことができる。  オランダやベルギーとは異なり、未成年者は対象外。

3.申請者への確認プロセス

 申請するものは15日の間隔をあけて2回書面で申請を行う必要がある。 この時、外部からの圧力によるものではないことを言明しなければならない。 また、文章が書けない場合は他の何らかの証拠を残す手段が必要。 1回目の申請後、担当医は患者に対し診断結果、治療の可能性、それによる期待される結果、可能な緩和ケアについて慎重に話し合われ、申請者は確実にそれらを理解する必要がある。 その後また申請者の意図を確認する必要がある。  2回目の申請後、医師は患者とのミーティングを行い、患者が何を求めているか確実に把握する必要があり、確認は合計で4回行われる。 その後、評価委員会が手順を承認したのち、更に患者は再度同意する必要がある。 これらのプロセスのうち、申請者(患者)はいつでもプロセスを中止することができる。

4.誰がプロセスを承認するのか?

 患者はまず担当医の同意を得る必要がある。  次に、患者が苦しんでいる病気に関する分野で、担当医が属していないグループの専門家の意見を得る必要がある。 その後、評価委員会は法律家を含む専門家2人を選出し、この2人の承認を得てプロセスが先に進む。 もし2人の承認が得られない場合は、委員会の全会一致が必要となる。  申請が正当であると判断されると、担当医に通知され、安楽死の適用への手順が開始される。 これらの手順で、何らかの理由により申請が棄却された場合、患者は委員会に対し異議申し立てを行うことができる。

5.プロセスの掛かる時間

 15日間の間に2回の申請を行った後、担当医は専門医に24時間以内に相談しなければならない。 専門医はこの返事に10日間の猶予がある。  こののち、当該委員会に3日以内に通知する。 この評価委員会は2日以内に専門家を任命し、決定を下すのに7日間以内と規定されている。 その決定を2日以内に議長に通告する。 評決が「承認」であった場合、医療専門家が細心の注意と専門性をもって、該当するプロトコルを適用し、実行される。 法律では最初の申請から安楽死が実行されるまで明確な日数制限は規定されていないが、報道によれば合計で約40日掛かるとのこと。

6.評価委員会はどのように任命されるのか

 スペインでの評価委員会の設置は、オランダ、ベルギー、ルクセンブルクの安楽死法との最大の違いといえる。 委員会は各自治州、自治体に一つ設置され、医療、法務、看護スタッフなどを含む最低7人のメンバーで構成されなければならないと規定されている。  その委員会の法的根拠は、各自治州政府が規定する必要がある。 中央政府保健省と各自治州政府評価委員会議長は年に一度会合が行われ、安楽死に関する基準を標準化し、施行方法などの意見交換を行う。

7.何処で、誰が申請することができるのか?

 国内にある公立、私立病院、保健センター、在宅医療の現場で、担当医に申請する。

8.国際的な動きは?

 ベルギー、オランダ、ルクセンブルクのベネルクス以外にも、カナダで安楽死が施行されている。 また、ニュージーランドでは2021年に施行されるのが承認されている。 この他米国とオーストラリアのいくつかの州では自殺ほう助を許可する法律が存在。 また、コロンビアでは憲法裁判所は安楽死を合法であると定めたが、議会の承認はまだされていない。 スイスでは法律の抜け穴が自殺ほう助を可能にしていると報道されている。 ポルトガルでは安楽死法が議会を通過したが、憲法裁判所がこれを差し止めている。

9.医師は拒否をすることができるか?

 法律の中で、「安楽死を実施するために直接的に関与する医療専門家は、良心的拒否を行使する権利を有している。」と言明されている。 このため、拒否する場合は、事前に書面でその旨を表明する必要があるとのこと。

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