スペイン カタルーニャ州政府 カタルーニャ州は”共和国”で如何なる国王も認めないと宣言する法案が可決

カタルーニャ州議会は7日、臨時州議会を開催し独立派会派JxCAT、ERC、CUPの賛成票69票多数で「カタルーニャは共和国であり、従って如何なる国王も認知しない。」と宣言した。

これは、8月3日に突如発表されたフアン・カルロス1世前国王がスペイン国外へ移住すると発表したことを受け、サウジアラビア王国の砂漠新幹線に関する汚職疑惑から逃亡する意図があったとし、独立派会派で州首相のキム・トーラ州首相が前国王の行動を批判し、臨時州議会を開催し、州政府としては国王(または王室)の存在を認めないという宣言を議会が可決したもの。

更に、急進左派独立強硬派で反体制・反資本主義を標榜する人民統一候補(CUP)が提出した法案で、「フェリペ6世国王及び王室に対し、数十年間にわたり違法に公共機関を利用し利益を得たにもかかわらずその犯罪は処罰されなかったとしその証拠を明らかにするよう求め、さらに中央政府、特に副首相が前国王の逃亡を手助けしたとし、その責任を問う」法案を可決した。

この法案らが採決される直前、中道右派政党市民党が、州政府議会執行委員会法学部(Letrados)からの注意を発表、「今回の法案投票自体憲法違反になる可能性がある。」と警告。

前国王はサウジアラビア王国の砂漠新幹線建設入札に関して、サウジアラビア王国から租税回避地パナマに本部が登録してある財団の口座に約81億円が送金され、その資金をスイスの口座を利用し、ドイツ生まれデンマーク国籍の実業家に対し、ドイツ企業が入札しないよう、便宜を図るようにするため送金していた疑いがもたれている。 スイス検察当局はこれに関して捜査を開始しているが、前国王に対し嫌疑は掛けていない。 また、スペイン最高裁判所反汚職局も捜査を行っているが、公式に「前国王は嫌疑が掛けられていない。そのため、パスポートの返却を求めることはない。」と発表している。

今回の法案可決に関し、カタルーニャ州は「共和国である。」 (Repabulica)と明言している。 これにより、スペイン憲法裁判所によりこれら法案群が違憲であると判断されるのは火を見るよりも明らかであるが、今回の前国王の海外移住発表は多くの国民の反感を買っている為、「中央政府は公的資金横領(正確には脱税)を認めるのか。」となるだろう。 これに対し、立法機関は司法機関の決定に従うという決まり文句でかわすのだろうが、いずれにしても、今後中央政府は今後難しい舵取りが要求される。

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